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差し入れのモヤモヤとその結末

先日の猛暑日に、息子の部活に差し入れをした。その日は、予報で40度行ってもおかしくないかも?と報道されていた日。何を差し入れようか、息子とも相談し、みんながすでに持ってきている飲み物より、アイスがいいだろうということになった。アイスの中でも、溶けて垂れない方がいいよね…。暑いから、スッキリした味の方がいいかもね…なんてかなり検討して、アイスボックスを差し入れた。

灼熱の午後2時。クーラーボックスに人数分のアイスボックスを携えた私は、部員たちから神様のように崇められた。
ありがとうございます!ありがとうございます!」
あー、気持ちいい!子供たち、みんな、かわええのぉ!よしよしよし!食べなされ、食べなされ!苦しゅうない、苦しゅうない!
私は完全に悦に入っていた。

と、その瞬間、初めて会った1年生の男の子から耳を疑う言葉が。
「僕、ミネラルウォーターがよかったです」
「えっ???」
驚きすぎて目が点になった。多分、声も出てしまったと思う。私の気持ちいい時間はあっけなく終わった。近くで見ていた部長のお母さんもビックリして、顔を見合わせてしまった。「そんなこと言わないの!」と慌ててその子に注意してくれたけれど、その子はキョトンとしていて、それを見て、私たちもキョトン。あー、ビックリしたよ!!!なんなのよ!!!

その日、家に帰ってから、息子にその話をした。息子は、「えーっ!あいつそんなこと言ったの??」とビックリしていた。絶対にそんなことは言わないと信じているけれど、絶対にダメだからね?と息子に念押し。「言うわけないじゃん!」ということで話は終わった…はずだった。

数日後、息子がちょっと話しにくそうに、私に言ってきた。
「あのさ、この間の〇〇くんのことなんだけど…たまたま今日、委員会の集まりがその子のクラスであったんだ。そしたら、その子と小学校が同じだった子が言ってたのが聞こえたんだけど、〇〇くん、小学校の時に、一時期、特別学級に行ってたんだって。この間の件、そういうことも関係あったりするのかな?と思って…」
おぉ…。予想外の展開…。思わず天を仰いでしまった。
「そうなんだ。教えてくれてありがとう…。もしかしたら、その子の特性が関係しているかもしれないね。悪い例みたいに言っちゃって、申し訳なかったね…」
息子は「知らなかったし、しょうがないよね!そりゃ、驚くよ!」と言ってくれたけれど、しばらく考えてしまった。

いろんな子がいる。見た目ではその子の苦手は分からない。多様性とは言っても、人の感情は正直で、いつでもコントロールできるわけではないし、嫌なものは嫌だし、傷つくし…。でも、一つ一つ向き合うのはキリがない。分からないこと、知らないことがあるのは当然だし、見方が変わることがプラスになることもあるけれど、マイナスになることもある。どちらを相手が望んでいるかも分からない。つくづく多様性って、人間関係って、コミュニケーションって難しいな…と思った。

ただ、息子がとても繊細に、この件を受け止めて、考えて、そっと私に教えてくれたことはとても嬉しかった。正解がないことだからこそ、その時々のベストを考えることが大事だよなぁ…と思った。
さぁ、私はこの話をどう生かそう。次に差し入れする時には、ミネラルウォーターも1本忍ばせようかな。どうしようかな。その時の気分でいいか。今度は驚かずに対応できる。それがちょっと嬉しい。


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