映画『ぼくのお日さま』公開前に素晴らしさについて書いてみる
9月6日金曜日からテアトル新宿・TOHOシネマズシャンテにて先行公開され、9月13日金曜日からは全国公開される奥山大史監督作の映画『ぼくのお日さま』。私はこの作品のメインキャストである池松壮亮さんの演技から邦画にハマり、10年以上彼の出演作を追いかけているので、この作品も楽しみにしていました。チケットが取れ、8月19日のジャパンプレミアで一足お先に鑑賞できたので、公開前に作品の素晴らしさについて書いてみます。その前に、こちらを観た方が魅力が一瞬で伝わると思うので、まずは予告を^^;
イントロダクション
1、メインキャストである子役二人の透明感が素晴らしい
小学6年生のタクヤを演じた越山敬達くんは撮影当時13歳、中学生のさくらを演じた中西希亜良さんは撮影当時11歳だったそう。映画の中のタクヤはあどけなくて無垢で天使のよう。さくらは、凛としていて都会的でTHE美少女!さくらの方が実際は年下だと後で知り、ビックリ。2人が画面に映るたびに、絵的な美しさと穢れのない透明感に圧倒され、何度も感嘆のため息が漏れた。眼福で、ずっと観ていたくて、本当に幸せで夢見心地なひと時を味わえた。おそらく画面からマイナスイオンが降り注いでいたのだと思う。絶対にそうだ。
2、寒さの伝わる風景と光や温度、余白の加減が素晴らしい
雪が降りはじめてから雪がとけるまでのお話なので、うつるのはスケートリンクか雪国の景色で基本的に寒そう。でも、その厳しい寒さの中で、変化していく関係性にほっこりしたりドキリとしたりチクンとしたり。
「寒い」ことが一貫して伝わる映像のおかげで、差し込む光や飲み物や食べ物の温かさ、感情の微妙の変化に、より敏感でいられた気がする。また、セリフが少ない分、余白は鑑賞者それぞれに委ねられていたように思う。受け身ではいられなくて、結果として、登場人物をすごく身近に感じられた。
3、「多様性」を体現する大人たちのリアルが素晴らしい
大好きな池松君が演じる元フィギュアスケート選手の荒川も、若葉竜也演じるその恋人も、常識的で優しい“普通の”大人だった。幸せそうな二人の姿にただただキュン♡ お互いがいればいい。お互いさえ分かっていればいい。大丈夫。でも、本当に大丈夫かどうかなんて本人たちにも分からない。…難しい。いつまで経っても、どうしてこんなに難しいんだ。「多様性」と言葉にするのは簡単なんだけどな。
その他にも、ガソリンスタンドのお客さん、さくらの母親、タクヤの両親など、出てくる大人のちょっとした発言にズキッとしたりギクッとしたり。無意識で時に残酷なリアルを体感。
4、ハンバートハンバートの『ぼくのお日さま』が素晴らしい
主題歌であり、タイトルでもある『ぼくのお日さま』は、元々あったハンバートハンバートの楽曲。監督がこの曲と出会ったことから、この映画がうまれたそう。
言いたいことがうまく言えない、気持ちだけがこみあげて胸がいっぱいになってしまう、不本意に笑ってやり過ごす…。そんなことは多くの人にとって良くあることなのではないだろうか。映画を観て、エンディングで『ぼくのお日さま』が流れた時、自分でもびっくりするくらい泣けてしまった。私の歌なの?というくらい、私の歌だったけれど、一方でどう考えてもタクヤの歌だったし、荒川の歌だった。エンディングでこの曲をもう一度じっくり味わいたいので、全国公開されたら、再度映画館に行くと思う。映画を観る前に聴いて、想像を膨らますのもおすすめなので、貼っておきます↓
今年の邦画は名作がたくさんあって、甲乙つけがたい…と思っていたけれど、美しい映像と音、無駄のないストーリー、+大好きな俳優さんが出ている(田村健太郎さんも少し出てる♡)こともあり、今のところ2024年のマイベスト。
もし興味をもっていただけたなら、ぜひ劇場へ。きっと心が洗われる素敵な時間になるでしょう^^ おすすめ!