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[読了まとめ] 「中医学」が効く!

著者、書籍名


徐福中医研究所 代表 
何 仲涛(か ちゅうとう)

「中医学」が効く!


内容

中医学とは4000年の歴史を持つ伝統医学ではあるが、科学的根拠に乏しいために日本で積極的に活用されていない。

そんな中医学について筆者は自身が診察してきた患者のケースをもとに特に鍼治療と漢方薬によって、一般的な西洋医学による治療ではどうにもならなかった病気が改善できる可能性があることを解説している。

一般的な西洋医学は、痛みなどの不調が現れる部分を集中的に治療するのに対し、中医学においては体全体、そして生活環境を含め、全体的な不調の原因の繋がりを診断し治療する総合医療である。

現在、日本では中医学においての保険適用範囲は狭いため、普及はしていないが国際的に徐々にその効果効能が認められつつある。医療費が拡大していきその削減が叫ばれている日本でも少しづつ中医学が普及していくだろう。

特に気になったところの覚え書き


中医学は予防医学であること

未病(まだ病気でない)を治すもの。

病は気から

病気の根本にはストレスがあるのではないか

鍼灸治療

  • 自律神経バランスを整える

  • 肩こり、腰の痛みといった整形外科的治療以外でも使える(アトピー性皮膚炎、不妊治療など)

日本漢方 

  • 中医学の診断は「同病異治」と「異病同治」 →弁証論治

  • 漢方薬使い方を間違えるケースが日本ではよくある(葛根湯は風邪に対してはひきはじめの時に使う)

  • 漢方薬は症状の変化によって処方薬、生薬の量を変えていかなくてはいけない

  • 漢方薬は使い方を間違えなければ副作用はごくわずか


漢方薬メモ

葛根湯(麻黄、葛根、桂枝、芍薬、生姜、大棗、甘草)

風邪のひき始めに使う(水っぽい鼻水、くしゃみ、軽い咳、寒気)
強い発汗作用をもつ
肩こりや顔面神経痛に効く場合あり。(生姜)

効果がない、悪化する例
汗っかきな体質の患者が服用すると悪化する場合がある
鼻水がドロドロしている、喉が痛い、赤い。(寒のタイプの薬)
扁桃腺が腫れている。
成分の一つの麻黄は血圧を上げるので血圧が高い人には向かない
飲み過ぎ注意。(特に子供、高齢者)

天津感冒片(連翹、金銀花、竹葉、荊芥、牛蒡子、豆豉、薄荷、桔梗、甘草、芦根、羚羊角)

葛根湯では効かない風邪のタイプに用いる
(熱タイプの薬)

小青竜湯(麻黄、桂枝、甘草、芍薬、半夏、乾姜、細辛、五味子)

強い薬のため飲み過ぎ注意
(特に麻黄の副作用)

アレルギー性鼻炎、喘息、花粉症に有効

半夏、五味子に喘息を抑える作用
(寒のタイプの薬)

加味逍遙散(柴胡、芍薬、白朮、茯苓、当帰、生姜、薄荷、牡丹皮、梔子)

原因不明のイライラ、頭痛(ホルモンバランスの乱れなど)
生理前の不安、頭痛、肩こり、胸が張る、下痢、便秘、更年期障害

半夏瀉心湯(黄芩、黄連、乾姜、人参、半夏、大棗、甘草)

副作用の強い半夏を乾姜と大棗によって副作用を抑える。
急性の胃腸炎、下痢嘔吐、慢性胃炎に有効。
胃酸過多症、ゲップ、二日酔いによる胃の不快感
(熱タイプの薬)

虚弱体質には向かない

八味地黄丸(熱地黄、山薬、山茱萸、茯苓、沢瀉、牡丹皮、桂枝、附子)

腎気を強くする、強壮効果
熱地黄と牡丹皮に血液循環を促す効果

冷え性や老化に伴う膝腰の痛み(慢性的な)、変形性膝関節症、骨粗鬆症、
若い人にも疲れやすい、無気力、パワーのない人に有効、インポテンツ
糖尿病による腰の痛み、足の痺れ
白内障による難聴、耳鳴り
(寒のタイプの薬)





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アトピーとの格闘の中、食べ物、健康というワードの中毒になり、日々勉強中。 不安定ながらも前進中!