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介護に香りを生かす

多くの人がアロマテラピーを日常や介護の現場で活用される方が増えているように思います。私も日常に生かし、介護にも取り入れていました。
私の活用方法をまとめてみました。


アロマテラピーとは

アロマ(AROMA)とは芳香、テラピー(THERAPY)とは療法を意味し芳香療法と言います。植物の香りを用いて、心・身体の健やかなバランスを整える療法です。

精油は花・花穂・花と茎葉・蕾・葉・果皮・種子・木部等から抽出していますが、その中には香り(芳香分子)が凝縮されています。

アロマテラピーの活用の仕方

①心に寄り添う

緩和ケア病棟で、70代ぐらいの男性にアロマトリートメントを行った時の話です。男性は奥様に先立たれ、ご自身も闘病されていました。
フローラル系の香りのするトリートメントオイルを利用してハンドトリートメントを行った時です。優しい香りが男性の心を動かしました。

「妻はね、花が大好きでいつも庭の手入れをしていたんです。女性のする事は理解できなかったけれど、植物はこんなにいい香りがするんですね。初めての経験です。こんな世界があるんですね。妻を思い出します。」

香りは男性の記憶を呼び覚まし、奥様との思い出を話して下さいました。もっと早く体験したかったとも話されていました。
香りは男性の心に寄り添い、癒しの効果をもたらしたのだなとその時に思ったのです。

②自分自身を内観する

いつもなら良い香りだと思っているのに、嫌な香りだなと思ってしまう事もあります。それはなぜでしょうか。リラックス効果が強いという代表的なラベンダーアングスフォリアの精油があります。しっかり眠りたい時に芳香浴をしたりしますが、どうしても不快に思ってしまう時があります。
「本当は休みたいのに休めない」と自分を偽っていませんか。
「もっと頑張らないといけない」と自己否定していませんか?

精油は心の深い部分にアクセスしてくれます。この香りは嫌だというのは、自分を癒す機会を逃していると言っても過言ではありません。

精油は科学的な成分があるほか、植物の本質的な意味も含まれています。バラは存在自体が愛や女性を象徴しています。バラ科などの花から抽出される精油は愛を育むエネルギーが傷ついている時に活用すると自分の中の信頼や愛を取り戻す手助けをしてくれます。

先ほども出てきたラベンダーですが紫色です。紫はとても高貴な色です。その人の精神性を高めてくれる存在です。そして均等に咲いています。自分の中の負の感情を癒し心のバランスを整え周囲のエネルギーに影響されないように自分を律する時に役立ちます。

精油は本質的な自分に気付かせてくれるものでもあるのです。

③介護中に活用する

介護中の活用はやっぱりハンドトリートメントかなと思います。よく母にしていましたが母は恥ずかしがっていました。

アロマハンドトリートメント肌に触れ合うことで、大切な家族とのコミュニケーションを深めることができます。
他にも肌に触れることでオキシトシンという幸せホルモンが分泌され、不安感やストレスを軽減できるといわれています。

【ハンドトリートメントの効果】
●タッチングによる安心感・幸福感
●リラクゼーション
●血行促進、冷えの緩和
●頭痛、肩こりの軽減
●コミュニケーション手段

【タッチング効果】
人は生まれる過程で受精卵から細胞分裂を繰り返しています。その過程で脳と皮膚は同じ外胚葉から出来ていると言われています。人間の個体として生まれてきた私達は今でも細胞レベルでは皮膚と脳は繋がっていると言われており、皮膚に良い刺激を与えることは脳にも心地よさを与えている、と言われています。
脳で受けたストレスを皮膚を通して和らげていると言えます。

今までの人生で大変な苦労をされてきたご両親にハンドトリートメントをして差し上げるのも良いかもしれませんね。
 

アロマテラピーの可能性

精油の香りは嗅覚から脳に直接作用し自律神経のバランスを整えてくれます。自律神経の中でも副交感神経を活発にさせるので自律神経の乱れを改善してくれます。
これが精油はリラックス効果があると言われる理由です。

他にも精油には科学的な成分がありますが、私は長年利用していて香りから何かメッセージを頂いているのではと思うことがあります。
植物は地球上では人間よりも大先輩です。植物が家の中にあると元気が出たり癒されたり、空気を綺麗にしてくれたりと人間が暮らしやすいように陰ながら支えてくれています。

言葉は持っていなくても、人間より感覚がすぐれていて周囲の環境の変化を察知しているように思います。どのように周囲と調和し存続していこうかと今考えていると思うんですよね。


まとめ

介護は孤独になりやすく、時に人を傷つけてしまうことがあります。介護の場面がお互いの心を癒せるようにアロマテラピーを活用するのもいいのではと思います。
また、介護する時に好んで使っていた精油があるとご両親のことを思い出すきっかけになるかもしれませんね。

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