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後悔しない選択

入院をしていた母が、予定通り2泊3日の入院を終えて退院すると連絡が入りました。
安堵の気持ちとまた施設に帰ることで残念な気持ちにさせてしまうなと気が重かったです。
しかし、母は奇跡を起こしてくれました。



1,母が起こした奇跡

「家に帰りたい。どうして帰れないの?迎えに来てくれたんじゃないの?」
いつもこの母の口癖を聞くと胸が締め付けられます。

でも、ちょっと待ってこれはチャンスかも・・・
私は早速、施設へ連絡を入れました。
「退院と同時に自宅に外出しても良いですか?この現状で面会規制は解除にならないでしょうし、これ以上容体が良くなることは難しいと思っています。まだ少し動けるうちに家の畳を踏ませてあげたいんです。」

施設長と相談員が不在とのことで折り返しの連絡が入りました。
「ご本人の状況を考えまして、今回は特例と言うことで許可いたします。ただご家族以外の方との接触は避けること、距離を保つこと、家以外に外出しないことをお願いします。それから家に帰ってまたこちらに戻ることで、ご本人の気持ちが不安定になることも予測されます。それはご理解下さい」
奇跡・・・、ありがとうございます・・・
嬉しくて嬉しくてはやる気持ちを抑えられずにいました。
兄弟達に電話したら、最初は全く理解できていないようでしたが、凄く喜んでくれました。
この奇跡。。。母の強い気持ちと、家族の思い、
学んでいる目標設定ワークが奇跡を起こしてくれたと思っています。


2,1年9ヶ月ぶりの帰宅

母は慢性心不全、腎不全が悪化しており杖と手引き歩行でやっと歩ける状態です。下肢も浮腫がひどくて思うように歩けません。
心不全で少し動くすぐ呼吸が乱れます。
玄関のちょっと高い段差も母の頑張りと兄弟達と協力して、無事に我が家へ入ることが出来ました。
大好きなポテトサラダとお寿司、沢山食べました。
そして、皆を笑わせて、泣かせて、ちょっとだけ困らせて
良い時間を過ごすことが出来ました。


3,何処に居ても親は子の心をお見通し?

母は兄と一緒に住んでいました。
仕事が遅くなる日もあり、母親を一人にすることが出来ずやむを得ず老人ホームへ入所となったのですが、兄は母親に対して申し訳ない気持ちでいました。
「本当だったら家で過ごさせてあげたいのだけど、胸が締め付けられるよ」と声を震わせながら言っていました。
そんな気持ちを母は知っていたのでしょうか。
母が自宅に外出という形であれ帰れたことは、私達にとっても母にとっても嬉しいことですが、兄にとっては主介護者として、キーパーソンとして
悔いの残らない結果になったと思います。
特に兄の中に後悔という念が残らないように、この数日間の出来事はご先祖様?20年前に亡くなった父?誰かが采配しているような空間でした。
最悪と思っていた事が好転したり、奇跡と思えたり本当に不思議な日々でした。
母の事は大切ですが、介護はいつか終わります。
介護していた人の中に後悔や自責の念が残らないようにする事が大切だと感じます。

介護を理由に自分の人生を諦めることのないような社会になることも願っています。



4,おわりに

今回の母が起こした奇跡は私の思い込みを外したことも大きかったように思います。
これは無理だと思って誰にも言わず、心の中に自分の思いを閉じ込めていませんか?
仕事をつづけながら介護することは大変なことです。
でも、ご両親の願いを出来るだけ叶えてあげたいって思いますよね。まずは自分の心の中を整理して身近な人から聞いてもらったらどうでしょう。
良い案が浮かぶかもしれませんよ。







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