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地方創生、地域活性化を軽々しく言う人を信じない

こんにちは。Kiwi PR合同会社の植田 聡子です。

元公務員である自分にとって、どうしたら地方が盛り上がっていくのか、都心の一人勝ちではなく、地方で豊かな暮らしが育っていくのか。ずーっと考えている、まさに生涯にわたって取り組むべきテーマだと思っています。

今は東京の真ん中で1日の大半を過ごしていますが、元々の出身地は人口減少が著しい横須賀市。雇用はどんどん少なくなっており、活気が失われ、空き家が増え、高齢者が増える、典型的な地方の社会課題だらけです。

二拠点生活をしている相模湖エリアは、横須賀よりさらに課題は根深いです。公共交通機関が充実しておらず、JRは1時間に数本、バスは1時間に1本もありません。タクシーは片手ほどの台数しか稼働しておらず、夜などは全く見当たりません。学校や保育園、診療所も閉鎖。徒歩圏に買い物できる場所は皆無。運転できない人は本当に暮らせない町です。

そんな地方の課題を日々感じ、自分が関わっている地方都市について、何ができるかを真剣に考えています。そのためには、知らなければならないこともあるし、物理的に足を運び、時間をかけて話をすることが大切だと痛感しています。一方、残念ながら、「都合よく、お金を稼ぐ手段として地方を利用」している人たちもいるのです。

外からの目が必要であるという点は私も賛同します。地元の人が気が付かない魅力は、よそ者だから気づくということも多々あります。でも、オンラインでミーティングするだけで全てをわかりあうなんて絶対できない。

国の省庁から大きな予算を預かって、地方を利用するようなプロモーションをして、管理費を抜いて生きる「コンサルもどき」や「マーケッターもどき」には絶対になりたくないのです。そういう人たちと同じように見られることも不本意なのです。

都会から地方にさーっと来て、さーっと稼いで帰る人たちの中には、反面教師のような人もいます。電車がない、タクシーの台数が少ない、飲み屋の店員さんが少ないから料理が早く出てこない、店が閉まるのが早いとか、そもそも店がないとか。そんなこと普通です。コンビニに歩いて行けないのなんて当たり前です。そこにいちいちビックリしたりでは始まらないし、そんなことを簡単に発言するだけで相手から信頼されないのです。

先日のセミナーで、とある地方のマーケッターの方が「地方の人にいきなり提案をしない」と聞いて、ものすごく腹落ちしました。そりゃそうですよね。いきなりよそもんにあーだこーだ言われて、素直に聞くわけないじゃないですか。「都会のあんたに何がわかる」相手は絶対思ってますよ。

だから時間がかかるんです。信頼関係を構築することに。

そんな簡単に、地方は活性化なんかしないし、誰かに言われてやらされても続かない。そんな事例をたくさんみんな見てきたことでしょう。
自分たちが納得して動くまで、伴走する心づもりを持たないまま、簡単に「地方創生」とか「地域活性化」を軽々しく口にして、「やっぱりあの地方はわかってない」なんて言っちゃダメですよ。そんな人を私は信用しません。

先日、とある料理やさんでポロッと聞いたこと。そこは色々な方から取材を受ける人気店です。

「食べもしないで、撮影して取材して書く人っているんですよ。そういう人の書くことって、本当に的外れで、自分がライターさんの文体を活かすように気をつけながら文章を夜中に直すときがあるんですよ。なんでこんなことしてるのかなぁって思いながら直すんですよね。」

食べもせず、撮影のためだけに料理を作らせ、その料金を払えばいいだろ、という態度が見え見えの都会の人。ちゃんと相手は見てますよ。

子育てと似てるかもしれませんね。相手を動かそうと思った途端に関係は壊れます。自分の思う理想に相手を勝手にあてはめようとしないこと。

地方創生や地域活性化はそのもっと先にあるものだと、覚悟を持って口にだす言葉です。

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