お前自身が生まれてきたことに感謝をしなさい。さあ、どっちのKISSか選べよ
人生で自分自身に対して生まれてきたことに感謝する機会がどれほどあるだろうか。
そんな機会を与えてくれる存在に出会えることはあるのだろうか。答えは、ある。
それがアイドル、それが【推しの魔法】
先日LIP×LIPの2nd ALBUMである「生まれてきたことに感謝しなさい!」がリリースされた。
一端のジュリエッタとして当然履修をしたがやはりLIP×LIPというかハニワ特有のむせ返るようなガチ恋エナジー溢れる曲の数々に脳から汁という汁が溢れた。
そして同時に悔やんだ。あるいは俺が真なるジュリエッタであれば恐らくは人生における魂の柱を得ることができていたであろう事実に。
私のHoneyWorksにて拗らせている好きとは中村千鶴にこそ宿る。見た目の性癖ポイントもさながら性格の悪さ信念の重さ性根の悪さ重い過去とガチ恋勢の魂の燃焼に充分すぎる力が備わっている。だがそんな話もここでは些事となるので彼女の話は下にてしてある。
好きのメインが他にあってなお、これほどまでに狂えるという点が本質だ。
それほどまでにLIP×LIPは狂おしいという話が主軸であり世界を構築する。
というわけで今日はこのアルバム収録曲の中で改めて脳がロデオされた3曲の話をする。
前2曲は何年か前に出ていたから知っていた。だからこそ改めて聴いたらこれマジでやばくねと。なぜこんなハイパワーガチ恋曲を前にしてのうのうと過ごして来ていたのだ。
しかして人生に遅すぎることなどはない、私はここで人生を取り戻す。
やりたい事やらなきゃ損じゃん?
ずっと好きとか永遠とか
1つのテーマを2つの曲にしてソロで歌わせるという発想、あまりにも強さのなんたるかを理解しすぎている。本当に自分の浸かっているガチ恋沼でトップクラスにほしい曲と言ったらこれを上げる。
開幕一秒のフレーズからもう2人の個性とスタンスがごりごりに出ていてとても良い。そいつの思想や恋愛観が見える歌詞っていうのが一番燃料として良質なわけだ。
その圧倒的な解像度に加えて対比構造にすることで「あいつならこうする」が見えることでカップリングバトルとして見ても燃料となるそのコンテンツクリエイトパワーには震えるばかりだ。
どこまでも、夢を見させてくれる。
一生信じてやるから
愛蔵は「お前は俺がいないとダメ」という強気で俺様系なスタンスでありながらその言葉は丸々自分に帰ってきている。
このように雨あられと不安になって繋ぎ止めようとしている愛蔵の姿が描写される。なんだかんだで最初から不安ではあるのだ。そのうえで強気に振る舞っているというだけで。そこが愛蔵のかっこいいところなんだよなと。弱気になりそうな場面でかっこつけられる男が結局一番かっこいい。
そんな風にかっこつけているところを見せつけて俺が飼い主だぞとリードも引っ張り続けて最後の最後にこれなのだ。
そう、ここにきての妥協形である。これが本音である。好きな女の前でかっこつけるし頑張ってリードもする。けどやっぱり不安は拭いきれない。
どれだけ抑止したって他のやつにシッポ振られてしまう可能性は否めない。もうそういうありえる可能性だとか全部ひっくるめての提案である。
分かってる分かってるお前は魅力的だしモテるよ、でも俺もイケてるし頑張ってるしなによりお前のこと大好きだよと。だから【俺にしとけ】という話なのだ。
なんたる破壊力と火力か。実際問題愛蔵レベルからこんなものお出しされたらこれを永遠と言わずしてなんと言うか。
が、しかし愛蔵ガチ勢としての意見は気になるところではある。これをギャップ狂いとして拝み倒すのかなんだかんだでやっぱり最後まで強気でいてほしいよみたいな若干の解釈違いオーラを出すのか。気になるところであるし同時にここが私にとって本気で戦えないもどかしさの点である。
とはいえこれは最強だろうが、と。
かような形の献身、魂を燃やされているとこんなにも感じられる熱い表現に心震わされないで何が凍った心を溶かす。
絶対嘘だし信じないけど
うっっっわめんどくさこいつっていう満点ドカ笑顔になれる曲がこの世にあるか。これじゃないのかね、世界の答えというものは。
断言するがあるいは私が心身ともに真なるジュリエッタであれば確実にこの曲を永遠とし、うわ言のように結局勇次郎よと吼え続ける自信がある。
そもそもが元来【テニスの王子様】の越前リョーマのようなくっそ生意気で意地悪なのに死ぬほど強くてなんだかんだでこっちのこと気を使ってくれているし不器用なりにも守ってくれるみたいなプリンスが好きなので勇次郎を好きになるのも必然というもの。それにあいつはコーヒー飲めないし。
その上でこんな爆弾ガチ恋曲があるんだからこれを永遠と言わずしてなんというか。
ちゃんと自分がめんどくさいって自覚して【めんどくさい僕のことを】って自分で言っているのがよりめんどくさくて笑顔が無限に湧いてくる。
フィニッシャーとなる言葉が【僕でさ上書き保存して】なのもとても脳に染み渡る。他に魅力的な存在がいるのはいるのは分かった、でもそれは「味見」だろって。
忘れろとか離れろみたいな強くてネガティブな言葉でなく、上書き保存という前向きな言葉選びであるところに勇次郎が持つ本来の優しさが伺えて涙が溢れる。
この辺のお前が言うなパートも非常に深い彫りの笑顔になれて良い。【つまり僕がいいよ】までのパワー系な持っていきかたも余裕のなさを感じられて素晴らしい。
また、全体を通して勇次郎が毒舌を好きで相殺していると思えるような言葉選びが光るシーンも実に美しい。
これで相手が好きでもなんでもなかったり第三者目線での話であればいつも通りどかどかに毒舌吐いていたんだろうなあと感じられる。
それを中和してこんなこと言えないなみたいなテンションにさせる好きの力にこそ着目したい。
推しの魔法
震えるべきことにHoneyWorksには想像を絶するほどのさらなるガチ恋曲が無限も無限、掬って溢れるほどに存在している。
LIP×LIPの曲だけでも私はまだその真髄全てに触れられていないであろう。それだけ私はまだ好きを加速させる可能性を残しているというわけだ。
最後に【生まれてきたことに感謝しなさい】の収録曲の中でも特に心震えた曲の話をするとしよう。
それがこの【推しの魔法】だ。
アルバムのタイトルにもなっている【生まれてきたことに感謝しなさい!】というフレーズを私は2つの意味で解釈している。
1つは推せる相手が生まれたこと、つまり愛蔵と勇次郎が生まれたことに感謝しなさいということ。
もう1つは推しているあなた自身が生まれたこと、LIP×LIPを推せるよう生を受けたことに感謝しなさいとの意味。
自分の推しと、それを推す自分。2つに対して【生まれてきたことに感謝しなさい】という解釈だ。なぜならばこの解釈が最も美しいからだ。
推す人の命をも肯定させる。自分で自分を推させるという行為そのものもまた【推しの魔法】である。
私の愛する中村千鶴も【推しの魔法】によって愛蔵を推すことで自分自身を推せるようになった、そういうこと。
これはアイドルが与えるものの究極である。夢や希望だけでない、根本的な推せる喜び、命ある喜びを。自己肯定感のない人間へ人間讃歌の概念を与えることができるところだ。
魂を前向きにさせ続けてくれる、正しく【推しの魔法】としてあまりにも強力な力を有している。
推しの存在に対してこの世へ生まれてくれたことに感謝することは容易い。しかし自分という存在、その生誕に感謝する機会というものは中々向き合うことのないものである。
自分自身の人生を、命を肯定させてくれるという点で「推し」に出会えてよかった。同じ時代に生まれられたという意味で自分の生を肯定させてくれるというのはあまりにもアイドルとして果てを行っていると感涙したのだ。
自分自身の命を肯定する機会を与えてくれているのだ。それこそが【推しの魔法】の真髄である。ああ、かくも世界とは美しい。
そして千鶴もまたこの【推しの魔法】で魂を救われて人生謳歌してごめんしているのでその効力のほどは身をもって知っている。
ありがとうLIP×LIP、ありがとうHoneyWorks。自分の生誕を肯定していい理由をくれて。魔法使いはここにいた。これからもその光を浴びて行きたい。
光を浴びられることに、推せることに。
生まれてきたことに、感謝。
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