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コロコロらしからぬハードさの中でこそ強く輝くコロコロらしい光。【運命の巻戻士】を今すぐ読むんだ

【運命の巻戻士】は現在コロコロで連載されている、ハードで熱くなによりも面白いという凄まじい漫画である。

まず伝えたい結論を3つ伝える。
1 今すぐコミックス1巻を買ってほしい
2 何も言わずオタクを信じて1巻の最後までとりあえず見てほしい
3 コミックス買うの気が引けるよって人はとりあえず上記リンクの週コロで読める分を読んでコミックス1巻を買ってほしい


以上である。これよりこの漫画がいかにすごいか、凄惨かを力の及ぶ限り説明する。
なぜそんなことをするかと言うと見たことないなら一刻も早くこの漫画を読んでほしいという一点に尽きる。
コロコロだからと、子供向けだからと一歩引いてしまう人にこそ読んでほしい。そしてオタクと一緒に頭を抱えてほしい。

本当ならば来月、9月28日に2巻が出るのでそこまで待ちたいところではあったが8月12日更新分の話がやばすぎて我慢できなかったので許してほしい。まずは1巻を買って最後まで読み頭を抱えて2巻の販売に備えてほしい。

なお下部にある限界感想はネタバレ全開なので未読の方は注意されたし。

コロコロらしからぬ展開のハードさとコロコロらしい熱い主人公のバランス

あらすじ
世界一わかりやすくて熱いループ漫画!悲運の死を遂げた人々を救う組織、時空警察特殊機動隊、通称「巻戻士」!彼らの武器は右眼に埋め込まれたタイムマシン「リトライアイ」!事件を解決するまで何十回、何百回、何千回と時を巻き戻す! コロコロ45年の歴史上初のループ漫画、必見!

コロコロ公式に記載されているあらすじ

やはりこの漫画において絶対的に推したいところは、ひとえに気持ちの良いしんどさである。圧倒的に展開がハードで重い。そしてそのエンジンがかかり出すのが後述する4話からとなる。なのでここでは可能な限り致命的なネタバレを避けて1~3話までの流れと4話から生まれる明確な違いのやばさの解説をする。

この漫画はあらすじにある通り、悲劇に会う人々を救うことを主旨としたループ漫画である。
主人公である巻戻士【クロノ】はどんなに困難な事件で解決が絶望的であろうとこれらの事故から被害者を救うことを絶対に諦めない。心優しく熱い、心の底から好感を持つことができる光のコロコロ主人公である。

巻戻士はリトライという時間を巻き戻す力を使うことで幾度となく同じ事件をやり直し、100万分の1という未来を変えられる確率に立ち向かっていく。この力を使い、巻戻士は救われなかった命を救う未来を求めて戦う。
時を巻き戻せるというこの意味が分かるであろうか。この作品では被害者を救出失敗した場合の未来が頻繁に描かれる。命が奪われる状況をオブラートに包まれてはいるが描写しているのだ。
コロコロ漫画でありながら悲劇に見舞われて失われる命は並大抵のことでは覆らないというハードすぎる世界観のもとに話が進んでいく。努力も工夫も無駄に、あるいは理不尽かつ無慈悲にその被害者は命を奪われる。
だがそれらはリトライによってなかったこととなる。そしてクロノは失敗の記憶を元に100万分の1のクリアルートを探していく。

コロコロらしからぬハードな世界観でクロノというコロコロらしさを持った熱い光の主人公が戦うのだ。これが面白くないはずがない。この漫画のすごいと感じる点はここにある。このバランスが非常に精巧である。やってることは重いのだが読んでて重くなりすぎないようなコメディタッチの工夫が随所に散りばめられている。なによりもクロノが事件を解決すればそれらの悲劇は起こらなかったこととなる。
クロノが巻戻士として事件に立ち向かい、解決するまで精神をすり減らし肉体を危険に晒しながらも救われなかったはずの誰かの命を救っていく。ここまでが概ね3話までの流れとなる。
作中の事故も巻き戻せばなかったこととなるのでそこまで悲壮感は漂っていない。

これらの設定が真に牙を剥いてくるのが4話以降となる。

第4話から始まるCASE999、クロノが巻戻士になると決意する過去を描いた話である。冒頭で言ったコミックス1巻まで読んでほしいと言った理由がこれだ。コミックス1巻にはこの話の始まりとなる部分まで収録されているからだ。
正直な話、3話まではチュートリアルと言って良い話の内容となっている。だがこれまでの流れが4話から活きてくるので話の構成が巧いのだ。

この漫画は1話の時点で既にクロノが巻戻士として活動している。そして4話の冒頭まで巻戻士として活動するクロノが事件を解決する話を行う。
これにより読み手は巻戻士とは何なのか、クロノという男がどんな男なのかということを知ることができる。そして、そこまでで最も強調されるのはクロノが絶対に人を救うことを諦めない男である、というところである。
そしてこの4話から始まる回想編、始まる前からこのミッションはクリアされていないことが明かされている。それはこの事件の被害者が救われない未来が今のクロノが生きている世界線であるということだ。そしてその被害者とはクロノの妹である。
知らない人の命を数多く救い続けてきたクロノが、未だ最愛の妹を救えていないのである。人の心よ。

その事件の全貌がどんなものなのか、なぜクロノの妹は救われることがなかったのか、そしてなぜクロノは巻戻士になると決意したのか。それらは9月28日発売のコミックス2巻を読んで確かめてほしい。そのためには今のうちにコミックス1巻を読んで精神を高めておくにこしたことはないのだ。
そしてあまりにハードかつ救いのなさすぎる話から繰り出されるクロノという圧倒的な光に当てられこの沼に来てほしい。

でもなによりも信じてほしいのはこれはコロコロ漫画だし、クロノは巻戻士だから、絶対最後にはハッピーエンドがくる。それはもうこの作風とコロコロだからという信頼から絶対に断言できる。逆に言えば絶対幸せになるしリトライできるからその道中どんなハードさがやってきてもおかしくはないということだ。
コロコロ漫画でこんなしんどさを味わえることはなかなかない。だからこそ人はこの漫画に惹かれるのだ。

ちなみにキャラに関しては非常にコロコロチックで親しみやすい人物が多い。絵柄もかわいらしく全体的に顔が良い。そういったところは沼として非常に入りやすいポイントである。

クロノなら絶対救ってくれるって信じられる。だから重さが最高のスパイスになる

【運命の巻戻士】は現在絶賛連載中である。私は週コロでこの作品を読み、見事CASE999回想編で沼へ叩き込まれた。そして週コロ最新話でまた頭を抱えている。何度も言うが本当にこの漫画は面白いのだ。
ハードな展開や救いのなさすぎる話が目立つが、まずそもそもとしてループ漫画として面白い。どんなやり方でこの事件を救うのか、という点においては読み応えがありまたギャグも多く差し込まれており笑いを誘う。
だからこそ重い話がとことん重くのしかかってくるのが最高というわけだ。絶対救われると分かっていてもしんどいものはしんどい、でもクロノならやってくれる、大丈夫だ。そんな風に童心に帰り素直にクロノのことを応援することができる。
本当にこの作品はもういつブームに躍り出るかというだけの火力を存分に持っている。となれば今すぐ読んでこれから入ってくる者を後ろから腕組んで眺める楽しさを味わうしかないであろう。
本当に【運命の巻戻士】はマストなので絶対に今すぐ読んで頂きたい。
今すぐ【運命の巻戻士】を読むんだ。読むんだ。読め!!!!!!!!


以下ネタバレ注意





限界オタクの呻き声殴り書き感想※ネタバレ注意

CASE999回想編

まずあまりにトキネちゃんが健気すぎる。当たり前のように誘拐されておっさんに首絞められているの普通にやばすぎるし例のトラックシーンの見開き最初見た時あまりにも衝撃的すぎて脳から変な液体垂れておかしくなった。クロノとトキネちゃんが圧倒的に光属性な反面誘拐犯のおっさんとかただただ純然たる悪だしその辺の温度差のやばさにもガンガンに正気を削られた。
トキネちゃんがお兄ちゃんは一回やるって決めたら意地でも諦めないってこと知っているって言うところここがマジで話の構成がうまいと感じたわけで。読み手としては3話までの絶対に諦めないクロノを知っているからトキネちゃんの言葉に本気の同意をすることができるわけでこの頃からブレない人間性の強さ伺えるのが非常に素晴らしいしこういうキャラの魅せ方があまりに巧すぎる。
4話のトキネちゃんのあのトラックシーンがあってからの7話でのあの笑顔のトラックシーン、あの対比本当にすごいし魂は救えたけど肉体は救えなかったとかいう結末の人の心のなさやばすぎて流石に震え散らかした。でもあそこでクロノが絶対にトキネを救うと約束したのでトキネちゃんが救われることは確定されているので安心ですね。
シライもああコロコロに出てくる兄ちゃんって感じのかっこよさあるんだけどリトライアイやられるけど生きてるとかいうあまりにやるせない落とし所なのもやばい。新人教育をしないと言われるシライが自発的にクロノを教育すると言うほどのあの時点でのシライの心中を考えるとあまりにやるせなさすぎて何も言えない。

2級巻戻士昇格試験編

【巻戻士が任務中に死んだ場合、相棒の巻き戻しによって復活しても、死んだ回の記憶は残らない】

まさかこの壮絶すぎる設定活かした話やるためにアカバ出したんか。よりにもよってアカバみたいなちょっと乱暴だし雑だけどあいつにも譲れない信念と2級に上がらなきゃいけない理由があって憎めない明るい男を711回殺しているとかいう読み手の情緒を完膚なきまでに粉砕する天才的展開よ。
しかも飛行機事故の犠牲者は救ったからアカバは救わなくても任務完了できるとかいう命を救う巻戻士の命の軽さよ。なんでそれがアカバみたいなこんなかわいげのある憎めない男でやるかな。これはあまりにしんどすぎるのでここに書き連ねないと情緒がおかしいままになるのでこうして発散しているわけ。
【今、何回目じゃ?】やる前のクロノとの問答すごい鋭いとこ突いてるしこの洞察力と観察力、アカバの巻戻士としての力量伺えるすごい良いシーンなんだけど展開のしんどさに感情がそこへスポットしきれない。
スマホンが当たり前のように犠牲者がアカバだけの未来でも任務完了できるって言ってるの倫理観やばすぎて変な笑い込み上げたしでも絶対諦めずアカバも救うと言ってくれるクロノとかいう光よ。
もし自分がアカバに対して限界ガチ恋感情を抱いていたらと思うともはや震えが止まらない。自分の推しの多彩な死に様を見開きで描写され実に711回死んでいるという事実を突きつけられるというなかなか経験しないことに対する感情を得られるのだろうか。恐らく自分なら711を暗証番号だとかロックナンバーに使う気がする。アカバのオタク、その気持ちを教えてください。
更に噂によればもっと恐ろしいしんどさが最新話には待っているとのことでまあもう頭を抱えている。でもこの漫画面白いんよ。マジでしんどいけどそれ以上に面白いからやめられないしなによりもやっぱりクロノならなんとかしてくれるだろうし。そこよ。
あと今まで週コロで毎週新鮮な巻戻士を接種できていたのがこれから月1供給になるというのシンプルに待ちきれない。月コロも追うしかないだろ。
人生に新たな楽しみ、潤いをありがとう【運命の巻戻士】。本当に面白いありがとう。

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