(気まぐれな)ニュースレター #2024.09.06
ニンゲンカンサツアットドトール
50代。男性。くたびれたスーツのおじさんとデリヘルドライバーの話。
気になるおじさんがいる。
おじさんが私の前に座った時、見えてしまったスマホ画面。
大人のお店のホームページ。
きわどい姿の女の子たち。おそらく風俗嬢たち。
がスマホ画面に写しだされている。
その日以来、おじさんがいると、おじさんのスマホが気になる。
おじさんもおじさんでスマホ画面がまわりに見えないような座り方をしている。
「また、見てるな・・・」
いや、別にいいじゃないか。
人がなんのホームページを見ようが、その人の勝手で、
何か悪いことをしているわけではない。
だが一度、気になったものを人はそう簡単に無視できない。
そんなおじさんを見ていて、思い出したことがある。
私がまだ若かりし20代だった頃、大人のお店で働く女の子たちを車で送迎する
アルバイトに応募したことがある。
いわゆる、デリヘルドライバーというやつだ。
その頃から、人間観察が好きだった私は、とにかく風俗嬢に興味があった。
なぜその仕事を選んだのか。いつから働いているのか。いつまで続けるのか。
とにかく、色んなことを聞いてみたかった。
もちろん、そんなことを聞くドライバーは違反だろうし、
嫌がられるだろうけど、
妙に自信があった私は、ドライバー仕事を頑張って、仲良くなってから、
いろいろ話したいとでも思っていたのだろう。
今、思えば、あの頃の私は人生に迷走しており、自分の悩みを経験豊かな女性たちに聞いてもらいたかったのかもしれない。
意気揚々とドライバー求人がある夜のお店に電話をかけた。
さっそく、面接。
けっこうビビって面接しに行った。
てっきりコワイ系の人と面接するかと思っていたが、
店長さんは普通の品川の方にいるビジネスマンに見えた。
「後日、おって連絡します」
面接が終わり、緊張と色んなことを話したので、えらく喉が渇いていた。
こーゆー時は当時から決まってドトール。
渋谷、公園通りにあるドトールに入った。
当時、アイスコーヒーはいくらだったのだろう??
めちゃくちゃはりきっていた私は、その後、面接で落ちるともつゆ知らず、
お店の女の子の名前を全員、覚えようとしていた。
お店のホームページをアイスコーヒーを飲みながら、必死に眺めていた。
10数年前、渋谷のドトールで。
・・・
もしかしたら、くたびれたスーツを着たおじさんも、
デリヘルドライバーの面接を受けた後で、女の子の名前を
必死に覚えようとしていただけなのかもしれない、、、
そんなわけないか。
now playing
偶然、発見したPV。
曲もすごく良いんだけど、PVがまた良い。
岩井俊二というか、スワロウテイルバタフライというか、
この世界観。
now watching
どえりゃぁ、おもしれぇわ。
脚本;宮藤官九郎
クドカンさんの泣き笑い。
物語を真面目に語るより、笑い泣きに真実が見えるような気がしてる。
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