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飛鳥の風を感じて想像の翼を広げる私は赤毛のアン

私は古典文学が好きだ。

古事記、日本書紀、万葉集、土佐日記、枕草子、伊勢物語、源氏物語・・・どの古典文学も、その時代に思いを馳せれば、目に浮かぶ情景が美しすぎてたまらないからだ。

もちろんナルニアを信じていた子どもの頃とは違った感性で、高校の古文の授業をきっかけに、古典文学の世界へとのめり込んでいたのだ。

古典文学は、私の想像の翼を広げ、その時代、その場所、その瞬間へといざなう。まるで私は赤毛のアンにでもなったかのようだった。


日本最古の和歌集と言われる万葉集、額田王の有名な和歌。私はこの歌がたまらなく好きなのだ。

あかねさす
紫野行き
標野行き
野守は見ずや
君が袖振る


あかね色をおびた、紫の草の野を行き
御料池の野を行って
野の番人は見ていないでしょうか
あなたが袖を振っているのを



大海人皇子と中大兄皇子に愛された額田王。
10年振りに再会した、かつての恋人、大海人皇子(天武天皇)にうたった歌。今は中大兄皇子(天智天皇)の妻。

過ぎた恋の想いを秘めたラブソングであるのだ。


額田王の歌に対し、大海人皇子(天武天皇)が返した歌。

紫草の
にほへる妹を
憎くあらば
人妻ゆゑに
われ恋ひめやも

紫草のように美しいあなたが憎いとすれば
人妻なのに どうして恋い焦がれるのだろう


恋しい額田王は、兄である中大兄皇子(天智天皇)の妻。

かつての想いが蘇えってしまった、大海人皇子(天武天皇)の胸の内をうたった歌。


不思議なのだが、女子高生の頃から、私はこの飛鳥の情景がイメージできた。野に吹く風や、その匂いまでも。もちろん今でも感じることができる。

なぜだかわからないけど、その時の切ない感情もココロに残る。バカバカしいと思うかもしれないが、私の前世は額田王なのかもしれない。

まだ、その前世は見たことがないけれど。


私の心友も、前世は額田王だと言う。そんな彼女が以前貸してくれた。

「あさきゆめみし」でおなじみの大和和紀が描く、中大兄皇子と大海人皇子、額田王のマンガだ。

古典文学が苦手だという方にも、古代ロマンの世界が味わえる美しいマンガなので、ぜひ読んで頂きたい。そして飛鳥の風を感じてもらえたらと思う。


いにしえに思いを馳せて・・・


※現実と物語が同じ世界だと区別がつかなかった子ども時代の話を少し紹介している記事。


パラレルキャリアをもつフリーランス助産師です。歩くパワースポットと呼ばれるくらい幸運体質な私が、妊娠/出産/子育て/女性の健康/の情報発信と日々のくらしのよしなごとをエッセイでつづっています。サポートしていただけたら最高にうれしいです!