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丑三つ時の死神にインスパイア


どうも。落語好きの水野です。


先日、米津玄師さんが新しいMVを発表しましたね。

落語の演目「死神」をモチーフにした、その曲名も「死神」


落語好きの水野はテンション激あがりです!


独特な雰囲気のある米津玄師さん。
彼にしか表現できない独創的な世界観、
聴く人を惹きつける声がとても魅力的です。


水野も一度だけ、米津さんのライブ行ったことあるんだよね〜テヘ。

だからこの作品はめちゃくちゃ嬉しいです!


米津さんは落語がお好きとのことで、
古典落語の名作「死神」を選んだところもさすがです。


撮影場所は新宿末廣亭。
東京新宿にある寄席で、唯一木造の伝統ある建物です。

末廣亭の中に入ると、大都会にいることを一瞬で忘れるくらい、
江戸の世界にタイムスリップした気持ちになるような造りです。


「米津玄師さんが末廣亭に来たのかー!」
と落語界の皆様もザワつきますよね。


米津玄師さんファンのみなさん、
ぜひ本物の落語を見に来てくだされ!!


落語の「死神」を聴くことができたらラッキー!

特にこの夏は結構たくさん聴けるかも!!


ここで古典落語の「死神」のあらすじを…
ちょっと長いのでお時間ある方はぜひ読んでください!


古典落語「死神」あらすじ

わずかな金の算段もできず、女房からも馬鹿にされた男が首でもくくろうかと思っていると、そこに死神が現れる。

「お前はまだ寿命があるから、死のうとしても死ねない。医者にして儲からせてやる」というのだ。

医者に扮して病人の所へ行き、死神が枕元に座っていれば、病人は寿命が尽きて助からず、足元にいれば、

アジャラカモクレンテケレッツのパー」と呪文を唱えれば治るという。

医者の看板を掲げると、病人を診てくれと町人が。
行ってみると、死神は足元に座っている。

これ幸いと例の呪文唱え、パンパンッと手を叩くと死神は消えてなくなり、病人はすぐさま元気になった。これがたちまち評判となり、大繁盛、大儲け。調子に乗った男は遊んで散在し、気がつけばすっからかん。

男はまた医者を始めるが、いつも死神が枕元に座っていて儲けにはならない。

ある日、豪商が診てくれと訪ねてきた。行ってみるとやっぱり死神は枕元だ。なんとか治てくれ、一ヶ月でも寿命を延ばせたら一万両差し上げると言われ目がくらみ、妙案を男は考えた。

店の若い衆4人に病人の寝ている布団の隅をもたせ、一気に回して死神を足元にしてまう、というものだ。

男は、死神がよそ見した隙に若い衆と布団を回し、呪文を唱える。

驚いた死神だがもう遅い。あっという間に消えてしまい、病人は蘇り計略は大成功に見えた。

男が計画大成功と浮かれていると、死神が現れ男を暗い穴蔵に誘う。そこには無数の蝋燭(ろうそく)が並んでいる。

長いのや短いの、威勢よく燃えているもの、今にも消えそうなもの様々だ。

死神は「蝋燭の長さが人間の寿命」という。

そして今にも消えそうな一本を指し、「これがお前の寿命だ」と。

驚いた男に、隣にある半分の長さで燃えている蝋燭が、さっきお前が死神を騙して救った者の蝋燭、男の寿命と入れ替わったのだという。

男は死神に必死に謝り、もう一度助けてくれと頼む。死神は灯しかけがあるから、お前の蝋燭とうまくつながれば命は助かるという。

死神に早くしろとせっつかれ、男はつなごうとするが、手が震えてなかなかできない。

死神 「早くしろ、震えてると火が消えるぞ」

男 「ああ、消える…」 

死神 「ほぉら 消えた」
(男がばったり倒れる)


オチは噺家さんによってアレンジもされます。

この古典落語の死神の大元はグリム童話の「死神の名付け親」という話だとされています。

米津玄師さんのMVは、落語と同じように、不気味な雰囲気で進んでいきます。

このMV、見事に落語の「死神」をコンパクトにまとめているところがすごい。

そして、噺家が噺を始めるときに着物の羽織をスッと脱ぐ所作や、扇子で死神の杖をつく姿、パンパンッと手を叩くと、お客さんに扮している登場人物の米津さんが一人ずついなくなるなど、演目を絶妙に表現されています。



そしてチラッと映る、末廣亭のアナログ時計の針が2時半……

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「丑三つ時」



午前2時から2時半、幽霊が出ると言われる
不吉な時間帯だよ!


この細かいこだわり、落語ファンもたまんないっす!


隅から隅まで手を抜かず、抜かりなし!の作品。
ファンをどこまでも楽しませてくれますね。
この細やかなこだわり、見習わねば!

皆さんもぜひ、実際に新宿末廣亭の寄席に来てみてくださいな。


死神に会えるかも……⁉︎


それでは今日はこのへんで。


「アジャラカモクレンテケレッツのパー」


パンパンッ!


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