マガジンのカバー画像

歌詩 まとめ

10
僕が今まで書いてきた「歌詩」をまとめています。
運営しているクリエイター

記事一覧

【歌詩】なんで なんで

【歌詩】なんで なんで

なんで なんで

僕は僕の為に死のうと思っていたけど
今は人の為に死のうと思っているんだ

自分とか 世界の全てとか
何も言えなかったあの人とか
問題は変わっていくけれど
苦しいのには変わりないんだ

 なんで みんな救えないんだろう?
 こんなに手が触れる距離なのに
 なんで 後ろめたくなるんだろう?
 喜びで満たされているのに

夢や希望もなくて 目を瞑って走っていた
終わるときは 僕らしく終

もっとみる
【歌詩】海洋散骨

【歌詩】海洋散骨

海洋散骨

宛名のない創作物は
もう誰にも届かない
頭の大きな警察が
覚えのない罪状を読みあげる
君は凍った土中から見上げ
刻一刻と消えていく
形のない身体が黒く淀み
遂にはみんな忘れてしまった

始まりの汽笛に心躍らせていたね
無効の切符とも知らずに

  「ありふれた事故だ」と言うが
  君は蛇にはなれなかった
  もう既に死んでいたとしたら?

ここは世界一悲しい安置所
もう何年も放置された

もっとみる
【歌詩】urge

【歌詩】urge

見えざる国境を跨ぐ 見えざるヴェールをくぐる
生理現象 摩訶不思議 鼓動震える化学式

思考のひらめき 血液 巡る淀みない身体は
生理現象 稼働してる 馬鹿げたことばっかをしてる

外付けメモリーばかり酷使する僕らの初期搭載媒体は
喜怒哀楽を吹き込まれずとも
プログラムを書き換えるロボット

  僕は衝動で 君へ 君へ 近づく
  君は焦燥で 近づけば離れてく

アウフヘーベン 東の空に報いの灯

もっとみる
【歌詩】チュー毒

【歌詩】チュー毒

チュー毒

僕は毒吐く 僕は毒吐く
口から吹かす 仕方泣く泣く
昨日シクシク コロリと狂う
僕抱く虚無 明日も毒吐く

僕は毒吐く あたまの深く
ドラマのフィルム が再放送
早まる9月 誤る愚物
君は毒づく 告げる決別

 あー自分が嫌になるよ
 僕ら人である前にドーブツだもんね

君は毒飲む 君は毒飲む
毒飲み下す 許してくれる
夜の高速 胸はバクバク
電燈繋ぐ そんな交流

ぽつり呟く 君の独

もっとみる
【歌詩】おやすみ、ドーベル

【歌詩】おやすみ、ドーベル

おやすみ、ドーベル

1st day

 世界地図をシーツに

 眠れ 深く 深く
 深く 眠れ 眠れ

 国境は ない
 お化けなんて いない

 Sweet dream Sweet dream Sweet dream

2nd day

 言いつけをやぶった罰さ

 てにをは 言葉って何さ?

 孤独 叫ぶ
 雨の匂いで
 鉄格子 軋む

 Sweet dream Sweet dream Sw

もっとみる
【歌詩】イフ

【歌詩】イフ

イフ

動物達 動物達
今宵 森の晩餐会
誰を捧げるか?
異論はなく 僕を指差して
祭壇へ連れていく

 頭のなかにいる僕の友達
 「目も耳も塞いでおくね。」

家畜達 家畜達
毛皮纏った裁判官
死刑判決
異論はなく 僕を指差して
絞首台へ連れていく

「最適解 最適解 木々ごと焼き払え。」
飛び散る火の粉 ラード
欲をそそる オードブル
「残さず齧りつけ!」

 頭のなかにいる僕の食いしん坊
 

もっとみる
【歌詩】憂鬱の分類学

【歌詩】憂鬱の分類学

憂鬱の分類学

心が凪ぐ日は
何でも外に出たがる
モノクロの生活
何もかもほっぽり出して

赤い車 水を吐き出して
濡れた服はそのまま 熱が冷めるまま

 手を広げても羽は無いから
 これじゃ空にも抗えない
 ましてや地上に嫌われた僕なら

鮮やかな影が冬の風に揺れる
鞄の中は双眼鏡とポケット図鑑

白い車 僕を連れていけよ
どうぞお気に召すまま 神のなすがまま

 触れたものや進取の気質は
 水

もっとみる
【歌詩】無限ホテルで

【歌詩】無限ホテルで

「無限ホテルで」

 水に落ちた虫のように
 シーツの上に浮かんでる
 哀れな男は諦めの顔で
 太陽に抱かれる夢を見ていた

 いつわりのシャワーを浴びて
 見せかけのバスローブを着て
 確かな不安に身を委ねる
 そんな夜をもう、何十年も

 世界に催眠ガスが充満してから
 このホテルだけが安全地帯だ

眠らない頭 眠りたい体
眠れない訳は 眠れば分かるさ

 内緒で荷物をまとめて
 チェックアウ

もっとみる
【歌詩】レイニータウン

【歌詩】レイニータウン

「レイニータウン」

どしゃ降りで部屋は浸水
憂鬱な臭いに目覚める
未明、遠くで誰かが溺れたと
テレビもラジオも法螺を吹く

rainy town
止まない哀しみの予感
rainy town
行き交う人々の笑顔
rainy town
病まないかな? 靴の染み
rainy town
にわか雨だと思ってたのに

寝ても覚めてもクイズは続く
何にもやる気がおきないの

rainy town

もっとみる
【歌詩】さすらお

【歌詩】さすらお

「さすらお」

幼い頃 景色を眺めるのが好きだった
映画フィルムの中 忙しなく動く人々
今では僕までエキストラになっていた

何度も同じ動きを繰り返し
へとへとになって 帰りのタクシー
窓から見える煌びやかな都市

夢を見させておくれ
距離の分だけ料金はかさむけど
降りるまではと身構えてる
夢を追いかけて それが叶ったらどこへいこう?
どこに行くでもなくさすらおう
そうだ 昔から景色を眺めるのが

もっとみる