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博物館デジタル化調査報告 No.5 〜大英博物館〜

こんにちは。ミューゼオの奈良です。

第5回はエジプト考古学史上最も重要な発見物とされるロゼッタストーンやパルテノン神殿の彫刻など、常時15万点以上が展示されている大英博物館。今やミュージアムの楽しみ方のひとつとして確立されつつあるデジタルを活用したさまざまな施策をまとめていきます!

国内のミュージアムではあまり見かけない施策も含め調査し、「デジタル化やDXは手段や方法が色々ありすぎて何から手をつけたらいいのやら…」と悩んでいる方の参考になればと思っております。

調査はミュージアムの公式HPを中心にミュージアムとしての取り組みやSNSの活用方法を調査し、個人的に好きなミュージアムストアの情報なども取り上げています。(TOP画像は大英博物館公式Facebookを参照)


大英博物館の概要

公立の国立博物館(世界初)
所在:イギリスロンドンのブルームズベリー地区
英語:The British Museum

大英博物館は、大陸と海にまたがる世界の文化を1つの屋根の下にまとめるという点でユニークです。同じ深さと幅、美しさと重要性のコレクションに責任を持つ美術館は他にありません。
その800万のオブジェクトにより、小さなコミュニティから広大な帝国まで、人間の文化の並外れた多様性を探求し、人間が生活のあらゆる側面に与えた多くの形態と表現を発見し、それらがどれほど密接に相互に関連しているかを理解することができます。

大英博物館,Wikipedia参照

Webサイトの内容

〈開館時間〉※基本毎日開館 午前10:00-午後05:00
〈チケット〉入場料無料

寄付制度やグッズの売り上げを施設運営費に入れることで「入場無料」が実現されている

【1】イベントについて
無料で様々な展示を閲覧できるが、膨大な展示品をより理解するために有料の「70分で世界を一周する」ガイドなども提供している。専門家から作品について学ぶことができる。


【2】過去の展示
大英博物館では作品を展示会ベースでまとめている。動画による解説や関連する作品なども紹介している。


【3】寄付制度について

「200万年の世界の歴史と文化を守る」大切な制度であり、会員メンバーとして支援した場合は、会員専用ルームの使用や大英博物館マガジンなどの特典がある。


【4】テーマ別索品検索
「エジプト」や「動物」のようにテーマごとに分かれている。作品がどのような形で歴史の中に登場したのかなど、様々な面からまとめられている。


SNSでの活動

大英博物館では4つのSNSを利用して情報を発信。YouTubeも積極的に活用している。様々な媒体を使って作品紹介を発信しているため、自分の好きな媒体で情報をチェックできる。

大英博物館公式Facebook参照
大英博物館公式Instagram参照
大英博物館公式Twitter参照

中華人民共和国の新浪公司(SINA Corporation)が運営するミニブログサイトである「微博」も活用。TwitterとFacebookどちらの要素もあるようなSNSだ。他のSNSにおける発信内容とは少し異なり、YouTubeの配信情報なども発信している。

大英博物館公式微博参照

YouTube
〈チャンネル登録者数〉49.4万人
〈本数〉1000以上
〈配信開始〉2010/08/04(11年前)から配信
〈最高視聴〉5,638,606 回視聴2020/05/28
  内容:「大英博物館からのツアー」


Shop情報

こちらからは大英博物館でしか買えないようなアイテムを紹介。オンラインでも購入可能だ。

●知る人ぞ知るアヒルグッズ
大英博物館のお土産といったらコレ!という方も多い大人気のアヒルたち。5種類あるコスプレしたアヒルは大英博物館ストアの中でも1番人気だとか。クレオパトラやサムライ、スフィンクスの人気が高い。

大英博物館のアヒルたち,
The British Museum Shop参照


●ねこシリーズ
「Inspired by cat」というカテゴリーがあるほど豊富なねこグッズ。ネクタイや水筒、腕時計など様々なアイテムが展開されている。

The British Museum Shop,Inspired by cats参照


●葛飾北斎のグッズ
冨嶽三十六景で有名な葛飾北斎。作品集や、絵画のレプリカ、トートバックなど様々な北斎グッズが展開されている。

The British Museum Shop,Hokusai: The Great Picture Book of Everything参照
The British Museum Shop,Hokusai Illustrations Tote Bag参照

まとめ

▶︎作品を展示会ごとにまとめ、オンラインで閲覧できるようになっている
▶︎テーマごとに作品が分かれている
▶︎中国で人気のあるSNSを活用し情報を発信している

大英博物館では所蔵品の幅広さに合わせるように、様々なSNSを活用した情報発信やグッズを展開しています。どんなファンにとっても嬉しい活動をすることでファンが定着しているのかもしれません。

次回はメトロポリタン美術館について調査していきます。日本でも人気の高いゴッホの作品などを所蔵している美術館では、どのようなデジタル化施策が行われているのか。お楽しみに!


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