シルクのブラキャミ (カップ付きタンクトップ)がほしい 〜良いのがないなら、どんなものがいいのか?と考えた話〜
ここまで、MUUGI(ムーギ)のアンダーウェアのコンセプトが生まれた、極私的なストーリーをお伝えしてきました。
1. 背中ニキビに悩んだ話 〜シルクにたどりついた理由〜
2. 締め付ける下着が着られなくなってきた
3. 「インナー問題」を考える 〜ファッションの最高の脇役を目指して〜
背中ニキビに悩んだり、下着の締め付けが苦しかったり、毎朝の服決めがインナー問題のせいでてんてこ舞いになったり。それぞれの課題を解決してくれる下着はありました。でも、1つを解決しても残りの2つが解決しない。結局、すべてを叶えてくれる下着はわたしが探したところどこにもなかったのです。
わたしが欲しい下着って、どういうものなのだろうか?
漠然と浮かんでいた、「シルクで、締め付けなくて。でも頼りない感じではなくラインを自然に整えてくれて、毎日着れるもの。見せてもOKなダサくないもの。」を具体化すべく、仕様として考えていきました。
まず、素材はシルクで、できれば洗濯機で洗えるような日常使いできるもの。
次に、締め付けないけどほどよくフィットする仕様。つまり、ガチガチに身体を固定しない。従来のブラのような締め付けはしない。でも、ゆるゆるフィッティングではなく、胸元をほどよく整えてくれて、仕事にも行けるもの。
まず、ブラタイプはアンダー部分に柔軟性を持たせづらいので難しい。ということで、ブラトップタイプで検討することに。
ブラトップでも、意外とアンダー部分の締め付けがきついものも多く、逆にふわっとしすぎていて頼りないものもあり、そのどちらでもないほどよいフィット感はどのように作ればよいのだろう?
たとえば強めのフィット感の太いゴム(スポーツブラのアンダーによく使われているもの)は締め付けがわたしにはきつすぎる。また、”ラクチンタイプ”によくある、前側のアンダーのみにゴムがついているタイプは、屈んだり動いたりすると体から生地が離れてしまってなんだか心もとない。色々考えるうち、ゆるやかなフィット感のゴムをアンダー部分の表側から背中側まで一周回すことで、ほどよいサポートができ、動いても生地が体にフィットし続けてくれるということがわかりました。そしてゴムは直接肌にあたらないように、ここもシルク生地でくるんであげると肌あたりがやさしい。
生地自体にもフィット感がほしいので、シルクはシルクでもサテンの織物ではなく、しっかり横方向の伸縮があって体にピタッと吸い付いてくれるものを検討。ストレッチ糸を混ぜて伸縮性を出すことも可能ですが、ここはシルク100%にこだわって編み方で伸縮性を出したほうが良いと思い、横方向への伸縮性のある編み方として「フライス編み」にたどりつきました。
そして、スタイリングの脇役となる存在として、どのようなものがあると日々のコーディネートのサポートになるか。
その日のスタイリングにあわせて選びたいのでいくつかのかたちがあるのが理想ですが、まずわたしが最初に作りたかったもの、それはタンクトップでした。
なぜか?
まず、透け感の強い服のインナーとして着るとき、キャミソールだと少しセクシーになってしまうので、遊びにはいいのだけど仕事だとちょっと気後れする。タンクトップなら、露出度合い的にもTPOを選ばず堂々と着られる。また、胸元のサポート的にもキャミソールよりも安心感があるので、開きが広くてゆるゆるした服のインナーにも便利。
また、背中ニキビ対策的に、背中の上半分のところにもシルクをまとわせたかった。汗取りにもなるので、大事な服も汚しづらい。
そして、アパレル市場・インナー市場には、タンクトップよりもキャミソールのほうが多い。この理由の1つはおそらく、キャミソールのほうが服からチラ見えしにくいために、より汎用的に使えるからだと思います。これ1つあれば万能ということです。あと、かたちもエレガントで女性らしいので、売りやすいのかもしれません。いずれにせよ市場はキャミソールに偏りがちになり、逆に素敵なタンクトップというのは選択肢が少ないのです。だからこそ、タンクトップだけどスポーティーになり過ぎず野暮ったくもならない、スタイリッシュなものがあったらいいなと思いました。
このような感じで、「シルクのフライス編み(横に伸縮する生地)で、スタイリッシュなかたちのタンクトップで、アンダー部分はやさしいゴムを入れて生地でくるみ・・・」という風に、イメージがだんだんできていったのです。
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