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締め付ける下着が着られなくなってきた

前回から、アンダーウェアブランドMUUGI(ムーギ)の立ち上げにあたり譲れなかった3つのコンセプトと、それらがうまれた背景についてお伝えしています。
MUUGIの3つのコンセプトについてはこちら↓


本日は、私の下着に求める要件2「締め付けず、心地よい。ノンストレスなフィット感」に至った理由をお話しします。
これは、下着によって体調が悪くなった経験がきっかけでした。

昔は、当然のようにブラをずっと着けていました。疑問をもたず着ながらも、なんとなく不快感はずっと感じていました。肩紐がきつくて肩が凝る。肩が凝るので肩紐を緩めると紐が落ちる。そしてなによりも一番辛いのが、アンダー部分が苦しい。痛かったり、血流が悪くなったり、呼吸が浅くなったり。

ブラの形状と骨格の関係はとても難しいようで、ただ単にアンダーが苦しいというだけではなく、みぞおちの上の骨あたりにワイヤーの終点が当たって痛みが出ることもありました。(肋骨が出ている体型のため。)なぜかそこにはアザのようなものまでできてしまい、ワイヤー入りのブラはあきらめることに。
その後もノンワイヤーなど自分の体型に合うブラを探しましたが、年齢を重ねるごとに何をつけてもアンダー部分が苦しくなるようになっていきました。その理由の一つはおそらくわたしの体質だと思うのですが、1日の中でお腹周りのサイズが変化し、夜になるとアンダー部分が太くなるからです。夜、人が少なくなったオフィスで、アンダーがきつ過ぎてブラのホックを外してしまうなんてこともありました。そうしないと、今度はお腹が痛くなってくるのです。こんなことはもちろん誰にも言えませんが、残業中の密かな悩みでした。

一般的に、ブラやブラキャミのアンダーは伸びない素材でできていることが多いかと思います。そうしないと胸を支えるというブラ本来の役割を果たせないからなのでしょう。確かにそれは正しいのですが、私の場合には苦しかったりお腹が痛くなったり、最後にはホックを外してしまうという本末転倒の事態が起きていました。また、呼吸によってもアンダー周りの長さはかなり変わるのに、そこを固定してしまうことにも少し違和感がありました。思いっきり息を吸いづらくなり、それが呼吸の浅さを招いてしまうのでは?と。1日の体型の変化や呼吸時の変化にも対応する、やわらかな伸縮素材のものがあったらいいのにと思いましたが、なかなかこれというものには出会えませんでした。

背中にホックのあるタイプが難しくなったので、今度はブラトップやブラキャミと呼ばれるカップ付きのタイプや、かぶるタイプのブラなどに次々とトライ。
この世界も、締め付けがきつめのタイプのものとリラックス系のものとに分かれていて、締め付けしっかりタイプ(内側に硬い素材のカップやワイヤーが縫い込まれているようなもの)は同じ理由で早々に離脱。

そして、締め付けがなさそうなものを試していくのですが、そこで感じたのは、「ただ締め付けなければよいというわけではない」ということでした。完全にリラックスモードタイプの下着はお部屋で過ごすのにはよくても、それを着けて会社にいくのはちょっと憚られるものが多かったのです。胸元がピタッとおさまらずスースーしてちょっと不安感があったり、体型が何もサポートされずありのまま過ぎてしまったり。特にわたしは比較的タイトめな服を着ることが多いので、多少は体のラインを整えてくれるものをオンタイムには求めていました。

これらの体験がベースになり、もうひとつの条件「締め付けず、心地よい。ノンストレスなフィット感」がだんだん姿かたちを現し始めました。
ガチガチに身体を固定しない。従来のブラのような締め付けはしない。
でも、ゆるゆるフィッティングにはせず、胸元をほどよく整えてくれて、仕事にも行けるもの。

下着は、ときには体調にも直結するとてもセンシティブなものだと考えています。
「体にやさしい」という要件は自分自身の体験からも外すことのできないテーマの一つなのです。

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