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バーモントが159円だったときの僕の気持ち -2024年6月15日

・今日の僕は、メンタルの調子が良くなかった。珍しいことの様に書いたが、悪い周期に入るとこういう日は週に4,5日はある。

・うっすらとした憂鬱が膜のように思考を覆っており、そのフィルターの存在は自覚できるもののさりとてそれを取り払う気力も無い。明らかに脳の物質がなにかしら不足している。足を引きずらなければ歩くことすらままならない気さえする。今日はそんな日だった。
そんなときにYouTubeを見てしまうものだから、有り余っているはずの時間はどんどんと溶けていく。

・どこかで、YouTubeとは現代における焚き火なのだという考えを目にしたことを思い出す。
不安を軽減するのに、現代人は火ではなく当たり障りのないメディアを眺めるのだ。 
なんとか今日の夜ご飯に必要な具材を買いに出かけることができたのも、ショート動画をパチパチと燃やしていたおかげなのかもしれないと思うと、罪悪感が和らぐ。

・だけども外に出たらもう夕方に近い時間だ。夕焼けはこういうとき、いつもとは真逆の感想を与えてくる。
この時間は帰宅ラッシュにより、道が混雑している。早い時間に行けば渋滞を回避できるというのにウダウダしてるから…
なんて悪い思考のループに入りかけながら、店に到着した。

・こう言うときこそ自分を褒めなければとふと思い、「ご飯をちゃんと作ろうとしているな。適当に済まさないなんて偉い。」「そういえば今日はゴミも出せてた、放ったらかしにすることもできたのに偉い。」などと、普段はできてもなんもすごいと思わないことを拾い上げて自画自賛した。
不思議なもので、状況は何一つ変わってないのに、小手先で考え方を少し変えたことで、頭にまとわりつく黒いもやに手が少し触れた気がした。
この手法は効く時と効かない時があるが、今日は運良く、前者だったようだ。
 
・少しばかり軽くなった足取りで入店し店を物色する。まずはパクチーを探す。
そう。今日の夜ごはんはベトナム料理。バインミーだ。 
バインミーはフランスパンに鶏肉、なますなどを挟んだ屋台料理。
要するにベトナム式サンドイッチで、サブウェイみたいなのを想像してくれれば良い。

・パクチーあった。
200円だ…高いなぁ。ちょっと落ち込む。やっぱ200円するかぁ…もっと少なくていいから100円くらいが良かったなぁ…でもパクチー入れるとかなり本場っぽい味になりそうだし買うかぁ…

・えいやという気持ちでカゴに細長くて臭い葉っぱを押し込む。けっこう余るよな〜。残った奴はタコスかなぁなんかサルサにパクチー入れてるレシピがあったし入れてみようかなぁ、などと思いながら歩く。


・なんとはなしにカレー売り場をみやると、バーモントカレーが159円だった。

お!と言ってしまった

・お…?お!
きた…!安い…うれし…!
大体250円とかなんだよな。それが159円。しかも税込だよ?やってやったぜという気持ちにもなる。
ちょっと遠いんだけどこういうことがたまにあるんだ。この店は。
がんばって来た甲斐が、こんなわかりやすくあるとは。チラシにも無かったのでマジで行かないとわからない安売り。財宝を見つけてしまった気分だ。

・バーモントカレー甘口を5箱ほどカゴに放り込むと、さっきまで脳内を満たしていた良くないものが、すぅっと抜けていく気がした。
カレールーが安かっただけでどうにかなるの?安直すぎだろなどと自分を笑うこともその時の僕にはできていた。

・ウイニングランのような気分で店を歩き回っていると、なんかエビも30%オフだった。

・前から好きなadoと最近好きな原口沙輔の曲を交互に流しながら意気揚々と帰宅する。

・僕は家を出た時とは比べ物にならない身軽さで料理を遂行し、エビとパクチーがトッピングされたバインミーに舌鼓をうったのだった。  

くさくさのパクチーがうまいんだこれが


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