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「かぐや姫の物語」にまつわる考察【一】

ジブリ映画「かぐや姫の物語」高畑勲監督。本当にこの映画の感想が、まとまるのか自信がない。
自信はないけど発車してしまう。いろいろな素晴らしい感想もクチコミも映画評も読んだ。

特に素晴らしいのが、有名かもしれないが故・雨宮まみさんのレビュー「かぐや姫の物語、の女の物語」である。まだ読んだことのない方は是非検索してみて欲しい。


私も、もちろんそのレビューでも泣いたのだが、この映画は女性だけのものではなく、男性の中のアニマ(男性の無意識の女性的側面)にも突き刺さると思う。
それはこの映画が、やまとごころのDNAを震わせると思うからだ。不定期に、息長く、じっくりと考察していきたい。ネタバレはありまくりなのでそこはご判断ください。

1、映画との出会い
はじめに、この映画のことを知ったのは公開前、他の映画を見に行って、予告編でだったと思う。月明かりの下の姫の疾走。雪の中を行き倒れるかぐや姫。そして「姫の犯した罪と罰」というキャッチコピー。


予告編で(ああ、見たい、でも見るのが怖い)と思った。そういうものは、中学生の時、大宰治の「人間失格」以来だった。触れるのが怖い。感情が大きく揺さぶられるのが怖い。
(尚、動画や背景についても非常に素晴らしいが、そこに関しては詳しく語れないので置いておく)

公開されてから少し経って、ひとりで見に行った。
想像以上に凄かった。感動というより、打ちのめされた。たぶんその後、数ヶ月は絶えずかぐや姫のことを考え、ぼーっと過ごしていたと思う。

その時の感情を、あとでどんな言葉が適切かいろいろ考えたら、「やっと会えたのに、また帰って行ってしまった」が近いかもしれない。喪失感。そしてそれは、いにしえの人々もそういう思いで月を見ていたのだな、と腑に落ちたのだ。

私は、現段階での隠れた、隠された日本女神についていろいろ調べることを趣味としている。
高畑監督は膨大な知識の持ち主だ。
私ごときが近づけるわけもないが、監督もその隠された物語に気づいていたと思う。映画の感想というより、その観点からの考察になっていくと思う。


不定期に続く(マガジンあります。)

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