本屋大賞のアーモンドがすごい!そのあらすじと感想を紹介!ソン・ウォンピョンの一押し作
「アーモンド」という韓国のベストセラー小説を読んだ感想を紹介します。
本書は、感情を失った主人公が繰り広げる感動の物語です。
本記事では、本書の概要について説明し、感想や書評・心に残ったフレーズなどを紹介。
また、読者が読んだ際に得られるものや、どのような人におすすめなのかを考察します。
「アーモンド」に興味のある方には、ぜひ読んでみてほしいです。
アーモンドとは
「アーモンド」は、2020年の本屋大賞1位に輝く作品であり、韓国でも30万部を突破するほどの大反響を得ています。
著者のソン・ウォンピョンさんは、映画の演出や脚本を中心に映画人として活躍してきましたが、本作は著者の文壇デビュー作でありながら、ベストセラーとなっている。
「アーモンド」の概要
□タイトル:アーモンド
□著:ソン・ウォンピョン 訳:矢島暁子
□刊行年 2019年7月20日
□発売:祥伝社
□頁数:257頁
□備考:2020年本屋大賞1位/販売部数30万部越え/チャンビ青少年文学賞受賞(韓国)/ 済州4・3平和文学賞受賞(韓国)
・あらすじ
「アーモンド」の感想
・読んでみた感想
まずは多くの方の書評や感想と同じ意見として、非常に読みやすく面白い作品だと思います。
僕自身も、読み始めるとかなり没入したのを覚えていて、いわゆる「一気読みしてしまう作品」です。
そこにつながってくるのが、この作品の大きい特徴でもある主人公のユンジュが感情のない少年というところ。
感情がわからない分、起きていることがありのままに描かれていると著者自身もコメントしています。
喜怒哀楽という感情がないという状況や経験を、僕もそうですが多くの人がしたことのない経験でしょう。
感情がないイメージとして、普通の場合は火や事件を目の前にすると「怖い」と感じます。ですが、この主人公はその「怖い」を感じないので、火に触ることを躊躇しないのです。
という具合ですが、僕には到底理解できないような展開が多く、感情のない少年の考えやその周りの人間関係など、どのシーンも興味深くどんどん話にのめり込んでいけるような没入できる作品でした。
展開が多くてテンポも早く、ショッキングなシーンもあれば感動するシーンもあり、かなり揺さぶられます。
また、著者のコメントでこの作品に重きを置いているのは「愛」についてとのことらしいのですが、愛に関する大きなメッセージ性があるということも読み切ってみると共感できました。
この作品が多くの人の感動を呼び、韓国以外でも翻訳されベストセラーになっているのも納得できます。
・心に残ったフレーズ
主人公のユンジュと母親とのやりとりの中での、母親からの言葉。
ユンジュは感情がないため、細かく行動指標のようなものを母親が作って、それを読んだり練習したりしています。
たとえば、全然食べたいと思わないチョコパイを見ても、「食べたいなあ」と言うこと。そしてニコッと笑って「僕も一つもらえる?」と言うこと。などがある。
逐一、感情の種類や感情ひとつひとつで起こりうる「普通」の行動を母親は教えます。
そうしないと周りから、変人や怪物のように見られいじめられるからです。この母親の熱心さには愛情を感じました。
そんな中での、上記のような母親のフレーズはとても深いと感じたのです。
はじめから物事には、意味なんてないのかもしれないとか。
愛情を注ぐのには意味なんて必要ないとか。
マンネリや同じことのくり返しや、人生やいろいろなことに当てはまりそうだと感じて、心に残ったフレーズして選んでおります。
・こんな人におすすめしたい
感想でも先述している通り、まず主人公の特性上、非常にわかりやすいストーリーになっています。
また、全く経験したことのない主人公の思考などに触れられることが、新鮮な体験になるようにも思います。
もうひとつの特徴として、著者は長年映画の携わってきた方なだけあって、情景や描写などリアルに想像しやすいようにも感じました。
(単にこの作品の性質上なのかもしれませんが)
ということで、本作品をおすすめしたい人は…
☑︎誰が読んでも面白いはず!老若男女に勧めたい
☑︎今まで小説を面白いと感じたことがない人
☑︎読書が苦手で没入感を味わったことがない人
☑︎韓国文学を読むのがはじめての人
☑︎感動する物語を読みたい人
とさせていただきます。
昨今、人気と注目が集まってきている韓国文学ですが、1冊目にはぴったりな作品であり、ぜひおすすめしたい作品です。
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