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感想 ホーンテッド・キャンパス春でおぼろで桜月 櫛木 理宇   市松人形の話し、ゾッとした。あのラストは怖い。

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ホーンテッド・キャンパスのシリーズ9作目が本書である。
短編集です。作品数は4つ。
このシリーズは短編が良い。

事故物件に住むという話しは、ある芸人さんがやってから小説や映画のネタにもされるようになったのだが、今回の場合は、その理由が切なかった。

「──彼女にもう一度会いたくてね。いまも探してるんです」 はにかんだように鈴木は言った。


彼女とは幽霊のことだ。
これは新入部員のエピソードなのだが、なかなかに奥が深い。
おもしろかった。

今回、一番のできは市松人形の話しだ。
これはかなり怖い。

「だって、その人形は──夕海子ちゃんが死んだとき、いっしょにお棺に入れて燃やしたはずなんらわ。だすけ、ここにあるはずない。なのになんで……」 老女は一同を濡れた目で見まわした。 「なんでいま、この子がわたしの家にいるの?」 その問いに応えられる者はいなかった。
「いまの若い人は知らないでしょうけどね。市松さんというのは抱っこして遊べるだけじゃなく、お守りだとか、災いの身代わりになってくれる形代でもあるんさ。お雛さまと同じように、持ち主の難や業を身代わりに受けてくれるものなんさね。そういう願いをこめて、買ってあげたんよ」


完全に呪いの人形
供養しても戻ってくる
その人形が身代わりになって引き受けていものは・・・

ラストが怖い。
これだと解決していないのかもと思ってしまう。


2022 2 27



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