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感想 瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった  末原拓馬  劇団おぼんろの舞台脚本を小説にした作品。

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この長いタイトルと本のジャケにひかれました。

2022年8月18日~再演が発表された人気舞台「瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった」を、
劇団おぼんろ主宰であり、脚本、演出を担う末原拓馬が、自らの描くさしえも入れた小説にしたものだそうです。

「いいか、想像ってのはな、未来のために するんじゃない、今を輝かせるためにするんだ」

この言葉がいいですね。
想像力のない人間は絶望的に不幸だと僕は思います。


ひきこもりで自殺願望のある老人がリュズタンの夢という世界に迷い込み
かつての旧友たちと再会し、夢や希望などを語りながら
当時できなかった夏休みの自由研究を完成させて
みんなで生き返るというプロット
生き返れたかどうかはわかんない。
でも、老人は自殺はやめたと思う。

小説の出来としては?ですが
その情熱というのか熱量は伝わりました。

夢の中で再会し楽しい思いをしている仲間たち
この夢の世界のままでいたいと思う人が出てくる

つまり、今が幸せだから、現状維持を望んでいるのだ。
こういう人は多いと思う。
このまま永遠にこの幸せが続けば良い。

ここで一言

「いいか、夢から終わりを取り上げてしまったら、その夢は腐りはじめる・・・・」

何にだって終わりはある。
どんな楽しい夢も永遠に続くわけではない。

なかなか重い言葉です。
ある夢が達成したのなら、次にチャレンジしなきゃなりません。
それが生きるということ。

この小説、言葉がいいです。

この芝居、見たくなった。

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2022 10 6



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