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感想 光のとこにいてね 一穂 ミチ 冷静に考えると、これは酷い裏切りだ。なのに心が揺さぶられる、そんな小説です。



まさかの百合オチに驚きました。

せっかく大人になったのに正しい方を、幸せなほうを選べないなんて、選ばないなんて、そんなことがあるの?。わたしはそんなのいやだ。


という果音の言葉が気になる。
これは結珠に向けられた言葉ではなく自分に向けての言葉だったと最後にわかった。

本書は結珠と果音の小2、高1、大人での出会いと再会の物語です。
これは友情なのか愛情なのか。
それにしてもラストのアレには驚いた。
百合小説とも解釈できる。

最初の小2のパートの二人の出会いの場面、胡散臭い男、そこに毎週水曜日に通う母、なぜ、自分はそこに連れていかれるのか。そこで二人は出会う。この出会いは、すぐに別れに向かうのだが、果音が放った言葉が強く印象に残った。

光のとこにいてね


裕福だが母親に愛されていない結珠
貧乏でイジメられていた果音

二人とも日陰にいたと言える。

高一での再会。
果音が結珠を追いかけてきたのだが・・・
ここでの描写もきつい

毎日、まったく同じ弁当を渡される結珠
夜逃げする果音

この時点でも二人は日陰にいる。

そして、大人になり、また、再会する。

あの不審な男が弟の出生と関係していたなんて、何なんだ。この作品、ぞわぞわする。

かわいい娘と親切な夫がいるのに
果音は結珠と再会し二人を切り捨てる人生を選択する

それは結珠にとっても同じで夫から離れるという意味である。

あの後、どうなるのでしょうか。結珠は果音に追いつけたのか。
すごく先が気になる。



2023 9 13



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