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書評 将来の夢なんかいま叶えろ。 堀江貴文   没頭の力があれば、夢なんか今すぐにでも叶う。将来の夢なんか、今、叶えろ!。

ほりえもん

コロナの蔓延でオンライン授業が当たり前になった。
青学に通っている知り合いは、「何の問題もないですよ」と言っていた。
オンライン授業は満足度が高いそうである。本書は、堀江さんの教育論である。
ゼロ高という学校まで作るという本気さは、日本の教育の現状に対する不満の現れである。

昭和で時間が停まっていると揶揄されがちな日本教育
プログラミングや小学校での英語学習など一定の変革はあるものの
中身を詳しく覗き見れば?なのだ。

日本の教育は、従順な子羊の大量生産という目的のもと
これまで減点主義。つまり「禁止」という看板を掲げて生徒の「自由」を抑圧してきた
その体制も少子化と学力の低下で崩壊寸前

そんな日本式の教育を堀江さんは・・・

学校教育の中で、日本人は洗脳されている。やりたいことに我慢して、自分にブレーキをかけ、自分の可能性に蓋をすることを推奨する恐ろしい洗脳・・・


と批判している。
そんな学校も、教師も、教科書もいらない
そこで立ち上げたのが、ゼロ高だった。

ゼロ高の代表者がこんなことを言っていた。

減点主義を一切やめ、いいところを見つけて褒める、加点主義を基本としています。
・・・・自己肯定感が高まれば「社会の中で自分はどうありたいか」という問いが始められます。

これをやったらダメという「禁止」を武器に減点主義で教育をしている学校の反対をいこうとしているのです。

単なる落ちこぼれや落伍者の受け皿でないことが、ここからも見てとれるのです。

さて、堀江さんは、どのような教育を求めているのでしょうか?。
前半部は、そのことが書かれてあり、本書の核になっています。

学ぶとは何か?

わからなかったことがわかることで生まれる「喜び」だ。


教育学者の林竹二さんに考え方が似ています。
「学んだことの証しは、ただ一つで、何かがかわることである。」

と林さんは言っています。
勉強は発見した喜びの繰り返しなのですが・・・
受験ありきの勉強では、それは望めないのです。

学校の減点主義についても痛烈に批判しています。

洗脳の為に教師が用いる効果的な手段は、禁止だ。


禁止の強制は行動や思考の自由を奪い取るのです。

そして、今回のオンライン授業で、テクノロジーが対面授業の代用ができることを証明しました。
すでにAIを使った対面授業や、ゼロ高ではオンライン授業も導入されています。
下手くそで眠い授業を教師がやるよりも、わかりやすいプロが動画でやる方がいい。

おもしろい授業、意味のある授業を受ければ、子供たちは勉強が好きになることでしょう。

オンライン教育と教科書のペーパーレス化は時代の流れになりそうです。
ランドセルに10キロの教材を詰め込んで通学させるなんて非常識だと堀江さんは言います。

偏差値教育が教師が楽をするためにやっているという話しはよく聞きますが・・・

偏差値教育は、子供と大人双方に「思考停止」という症状をもたらすウイルスみたいなものだ。

と痛烈に批判し、学びを辛く、苦しいものに変えている悪の元締めみたいに批判しています。

堀江さんは「学歴」を重視していない。
むしろ大切なのは「学び歴」なんだそうです。
大人になってもずっと学び続けるのが大切なのです。

没頭することが成功ヘの道だと言っています。
しかし、学校や親がその力を奪っている。

学校の目的は、みんな横並びでオールBの人間を作ることなのですが・・・
世界企業が求めているのは、ある一部分だけでもミラクルAの人材なのです。

何でそんな人材が日本には育たないのか?

そもそも「のめり込むこと=悪いこと」だという認識を学校や親が持っているからなのです。
没頭は悪じゃない。美徳です。
世界を変革させた天才たち、スティーブ・ジョブズやエジソンは寝食も忘れて
そのことに没頭した超オタク野郎だったのですよ。

「禁止」されてばかりの人間は保守的になります。
失敗しないような人間になります。

成功する人間はこうだと堀江さんは言う

動き出しが早い人間に成功の機会は集まってくる。
没頭体験による学び×行動力が最強だ

「多動力」という本が堀江さんにはあり、そこでも同じような主張を繰り返しています。
とにかく動けです。

でも、今の学校教育の作り出している人材は

黙って体制側の言うことを聞き続ける。「我慢の秀才」を育成するのが狙いだ。

だから「忖度」とかするわけです。
本書を読むと堀江さんが本気で若い人たちのことを心配しているのがわかる。
デジタル庁や縦割り行政の…、それも大切です。
でも、日本の遅れた教育システムの変革こそが一番大切なのかもしれない。
そろそろ「学力」の基準値を「偏差値」以外のものに変える時なのだと思いました。

2020 9/26




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