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2020年4月の読書まとめ

コロナの影響で、土日はひきこもり状態で、平日も普段の3時間平均よりも多く読書時間がとれて、たくさん読めました。ただ、集中力もやる気も今いちで・・・、不安を読書で埋め合わせするような読書が多く。チャレンジはしてなくて、無難な名作頼りでした。
新作は、店長がバカすぎて 半自伝的エッセイ 廃人 ピエタとトランジ <完全版>の3冊。
光文社古典文庫が、6冊と多い

読んだ本の数:15
読んだページ数:3526

おすすめ本

ピエタとトランジ 藤野 可織
書記バートルビー/漂流船 メルヴィル
月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~ ピランデッロ

「ピエタとトランジ」は、久しぶり鳥肌ものでした。これは名作です。


以下、簡単な感想・・・


月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~ (光文社古典新訳文庫)月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~ (光文社古典新訳文庫)の感想


作者は、徹底的な悲観論者なのではないかと思ってしまうほど、根の部分が暗い。イタリアの有名な劇作家で短編の名手であるのだが、読んでいて辛くなってくる。されど面白い。何なのかな、この矛盾した感覚。「紙の世界」という読書家の話しが好きだ。目が見えなくなり、他人のせいにしたり、朗読の女性を雇うが、気にいらなくても黙読させたり、つまり、彼は自分の世界。紙の世界がお気にめしていて、朗読の女性に黙読させ、ときどき、質問したりする。内容は頭に入っているのかな。何かおかしな世界で根暗なんだが、それもありなのかもと思う。
読了日:04月02日 著者:ピランデッロ

アラジンアラジンの感想


アラジン 小倉銀時 京都の雑居ビルから生じたピカレスク小説。おもしろい。ビルを支配する悪を、小悪党の管理人と友を闇金に殺されたアラブ人顔の男と、家をだまし取られた老人が見事にひっかける。ラストのラストまで先が見えない展開は、エンタメ小説としても楽しめた一気読みです。少し古臭い雰囲気はありが良く出来ていると思う。
読了日:04月04日 著者:小倉銀時

歎異抄 (光文社古典新訳文庫)歎異抄 (光文社古典新訳文庫)の感想


何故、関西弁なのか?。よくわからない。でも、とても理解しやすいくだけだ文章だった。あまり宗教に関心のない人でもわかると思う。親鸞の教えを弟子の唯円が解説したというのか、間違って歪んだ部分の修正というのかな。ようするに、南無阿弥陀仏というお経を唱えれば往生できると信じることが大切で、悪人だろうが賢者だろうが金持ちだろうが、その人の背景は関係ない。信じる心の強さが大切だと言いたいようだ。つまり、楽して極楽浄土に行ける方法が、この親鸞の教えというのかな。後の解説は長かった。興味がないので適当に読んでしまった。
読了日:04月05日 著者:唯円,親鸞

店長がバカすぎて店長がバカすぎての感想


店長がバカすぎて  早見和真 バカな書店店長と契約社員の女性の話しなんだけど、書店の内実にせまっていて、なかなか厚みのある話しだった。ラストの為に、色んな伏線が巡らせていて一気に回収。これは悪くない。店長は少し抜けているナルシストだが、悪い人ではない。だから、店の雰囲気もそんなにギスギスしていなくていい感じなのです。2020年本屋大賞ノミネート作品。
読了日:04月09日 著者:早見和真

まんがでわかる! 元気が出る睡眠まんがでわかる! 元気が出る睡眠の感想


慢性的な寝不足で、だいたい平均4時間くらいの睡眠時間が高校の時くらいから続いている。何か参考になればと・・・。寝だめがダメなことや、朝決まった時間に起きるとか、適度な運動で脳だけではなく身体も披露させるなど、内容としては知っていることが多かった。知識はネット検索で出てくるlevelだが、漫画が面白いしいいのではと思う。
読了日:04月11日 著者:カミムラ 晋作,鍛治 恵

まんがで鍛える 脳の強化書―――私、成長したいんです・・・(Business ComicSeries)まんがで鍛える 脳の強化書―――私、成長したいんです・・・(Business ComicSeries)の感想


脳の強化の仕方をまとめた本の漫画本だった。ラジオを聴きながら寝るか、歌いながら料理をするとか、植物に話仕掛けるとか、一人でやっていたら変人と思われるようなことが多いが、1つ1つ理屈が説明されているので納得した。思考系のトレーニングがしたかったので、朝、起きた時、その日の目標を20文字で表現するとか、寝る前に、今日あったことを3つ書き出すとか、これは実践できそうだった。
読了日:04月12日 著者:加藤俊徳

まんがでわかるワルい心理学まんがでわかるワルい心理学の感想


悪い心理学というタイトルだが、少しも悪くない。心理学を学ぶことで人間関係が円滑になるのなら良い心理学だ。「ビジネス」と「恋愛」の2つのパートがある。結局、人間関係を良好にしてという話しになる。相手をよく観察して距離を縮めて親密度を増すのが良い。面白かったのは、嫌いな相手に対して「頼み事」をする。それで相手の中に感情の修正が起きるというのは実践できそうだ。
読了日:04月14日 著者:秋内常良,松枝尚嗣

半自伝的エッセイ 廃人半自伝的エッセイ 廃人の感想


半自伝的エッセイ 廃人 北大路 翼 俳句で飯が食えているのだろうか?。半自伝というわりには、言及は表面的である。アウトロー的な生きざまを句に込めることで独特の色合いを出している。それが北大路さんの武器だ。まだ、42歳なのに、おじさんのような価値観なのでびびる。俳句は素人でよくわかんないが、いくつかは心に刺さった。キャラで言っているのか本音なのかがよくわからなかったが、楽しい読書であった。
読了日:04月16日 著者:北大路 翼

人もいない春 (角川文庫)人もいない春 (角川文庫)の感想


西村さんの作品は私小説だと聞いたが・・・、まじだとすると相当のクズだ。こんな性格では社会では通用しない。秋恵の病気の看病の話しはひどすぎだ。恋人なのに、何なんだろうな。こんな男は女を幸せにはできないと思う。これは女をただの性欲処理の道具とでも思っているのだと思う。・・・、と読者を興奮させるほど、逆に言えば小説としても面白いとも言える。
読了日:04月17日 著者:西村 賢太

まんがでわかる「学力」の経済学まんがでわかる「学力」の経済学の感想


質問に対するアンサーという形式で、子供の教育の問題をわかりやすくエビデンスを表示し説明しているので説得力がある。例えば、褒めるのは何に対してか?。能力に対してなのか?。努力にたいしてなのか?。才能のある子を褒めるのは良くない。努力に対して褒めるのは良いというデーターを元にして「努力」を褒めるという結論となっていた。才能は漠然としているが、「努力」はわかるから、具体的なイメージや実感がともない。ほめられたから、また、努力しようとなり成績が伸びるというデーターになったのだと思う。
読了日:04月18日 著者:中室 牧子

闇の奥 (光文社古典新訳文庫)闇の奥 (光文社古典新訳文庫)の感想


象牙取引とか、過酷な労働で黒人が死ぬとか、歴史の闇を描いているわけですが、それを主人公の船長の視線で見せたというのがいい。クルツという会社の現地担当の男が、まるで王国のような場所を築いたのがアフリカのコンゴだった。それは内陸部にあり、川を舟で遡っていくのだが、人食い種族に襲撃されたりと怖いことばかりなのである。この奥地の闇と黒人差別という闇と、そこで仕事をしていて精神を病んでいるクルツの心の闇が二重三重にも重なって、とても恐ろしいことになっている。白人視点なので黒人差別主義ともとれるが、それだけではない。
読了日:04月19日 著者:コンラッド

トム・ソーヤーの冒険 (光文社古典新訳文庫)トム・ソーヤーの冒険 (光文社古典新訳文庫)の感想


インディアンのハーフの悪役の扱いが酷いのにびっくりした。いくら極悪でも、あのラストはないと思うし、何かよくわからないが嫌な感じしかしない。印象に残ったシーンは、もう1つありペンキ塗りのシーンかな。トムはかなり小ずるい少年なんだ。騙して自分の仕事を他の人に押し付ける。勝手に家出して迷惑かけて、それなのにベッキーと洞窟行ったり何なんだろうな。アメリカにおけるインディアンの差別が強烈だというのがわかった。
読了日:04月21日 著者:トウェイン

書記バートルビー/漂流船 (光文社古典新訳文庫)書記バートルビー/漂流船 (光文社古典新訳文庫)の感想


バートルビーの話しが印象に残った。せっかく雇った初期のなのに働かない。勝手に事務所に住む。解雇になっても出ていかない。事務所を引っ越しても、そこに居続ける。刑務所に入れられると飯を食わない。何でもNOと言う男なのだが、これは理解しがたい。資本主義への反発なのか?。飢え死にするまでやり続ける意味がそこにはあるのか、何が彼にそうさせるのか。まったく意味が不明なのだが、そこが凄い。こういう発想は凄いと思うのだが、結局、何なのかわからない。漂流船のほうは奴隷差別の問題なのかな?。
読了日:04月24日 著者:メルヴィル

ピエタとトランジ <完全版>ピエタとトランジ <完全版>の感想


名探偵トランジと親友ピエタの物語。探偵というのは殺人事件を解決したり、未遂に終わらせたりするものだが、トランジは死を招く女なのである。彼女たちが近づくと、事件は解決するが、同時に人が死ぬ。驚くのは、二人の「死」に対する距離感だ。まるで他人事。コンビニでおにぎり買おうとしたら売り切れでした。次に行こう。みたいな軽いノリで、たんたんと高校、大学、医師、探偵、中年、老人と時代をたどっていく。とにかく人が死にまくり不快だ。「死」は疫病なのか?。死は彼女たちにとって何なのだ。死ぬとは何なのだ。喉元に刃を突き付け・・
読了日:04月26日 著者:藤野 可織

死の家の記録 (光文社古典新訳文庫)死の家の記録 (光文社古典新訳文庫)の感想


疲れた。あまり楽しくもないし、登場人物がたくさん出てくるので、1つ1つのエピソードが後ろに追いやられていくようなイメージで気がつくと別の話しになっていて印象にあまり残らなかった。シベリアの監獄はかなり日本のそれとは違い自由であり、仕事を持ってお金を稼げたり女を買えたり、酒を飲めたりと比較的自由である。天然の要塞なので脱獄は困難だ。政治犯などは同情せざるおえない。本当の意味での犯罪者集団というわけではない。民族学的な価値とかのある歴史小説なのかもしれない。当時の監獄の雰囲気はわかります。でも、退屈だ。
読了日:04月29日 著者:ドストエフスキー

以上。

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