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感想 エヴァーグリーン・ゲーム  石井 仁蔵 チェスにかける四人の男女の話し、その熱量がすごい。チェスがわからなくとも、この小説は楽しめます。

チェスのルールはまつたくわからないのですが、それでも、その楽しさや、それに熱中する人たちの熱量は十分に伝わってきます。

新人の作とは思えない完成度です。
とくに、最後の大会のbattleはかなり面白かった。

四人のプレイヤーの過去を軸に展開していきますが、これが魅力的でした。

透は、難病で入院生活を送っていたが友人からチェスを教えてもらい生きる意味を見出す。
友達は死にますが、彼はその友の分まで生きようと思うのです。
その原動力はチェスでした。

チェス部の高校生の晴紀の恋物語。これが一番好きかな。
イジメられていた初恋の相手を助けようとする姿は共感できます。
彼はチェスから逃げないという精神を学ぶ。
トイレで釣崎たち不良に脅された時も踏ん張ります。
ここが感動的なのです。

全盲の少女冴理がチェスにハマってしまった動機も面白かった。
ピアノをやっていたが、母との対立から辞めてしまい。
チェスをやるのですが、盲目の人が何かをするということの大変さがよく表現されていました。

悪の釣崎がチェスに生きる意味をみい出す話しは少し犯罪小説みたいだつた。
最後に善人みたいになるところが好感がもてました。

この四人が合流する大会がほんと面白い。

エヴァーグリーンって、ずっと色あせないという意味なんだ。


まさしくチェス。ずっと、やっていたいと思う透の気持ちがよくわかります。


目の前のある駒で勝負をすることがすべてなんだ。だつたら、やれることをやってやる。


このチェス精神が好きです。




2024 5 24



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