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感想 天久鷹央の推理カルテIII  知念 実希人  短編3作品とも優秀。シリーズで一番楽しかった。

ダウンロード - 2022-06-21T143922.088

シリーズ3作品目。
今回は、短編が3つ。
もちろん、医療ミステリーです。

今回は少しオカルト的展開だった。

「呪いの動画」、「男性に触れると肌が荒れる女性」

そして「密室で溺れた男」の謎を解明していきます。


呪いの動画は少し「リング」に影響されているのだけど
動画を見たら、線路に転落したとか、その記憶もないとか怖すぎ。
そして、双子の姉も・・・・

この回は、鷹央の元指導医の少し性格の悪い女医が出てきます。
2人の掛け合いと診断合戦が面白い。

「男性に触れると肌が荒れる女性」も同じ先生からのオファー
男性恐怖症と思いきや
女性医師でも症状が出てたいへんなことになります。

「密室で溺れた男」の話しはかなり優秀。
紙面の半分をとる大作でした。
中編という感じでしょうか。
読み応えがあります。

小鳥が来年、移動になるという
その理由は、先輩の医師がトラブルに巻き込まれて医師不足になるからとか

その先輩の実家の大病院で兄が
パーティ中、密室で溺れ死んでいた。

密室で、しかも溺死です。

鍵を持っていた先輩が容疑者だが・・・
最後の最後まで、室内で溺れ死んでいた謎がとけない
逮捕寸前で怒涛の展開で謎がとけていく。

かなり楽しいです。
謎解きもいいのですが、この天久鷹央と小鳥
周囲の人たちの醸し出す雰囲気
明るいタッチの描き方
すべていい感じに回っていて
とてもおもしろいです。
回を重ねるほど楽しさが増しているという感じです。

この作品のパターンは、2人の探偵役の推理を邪魔する存在というのか
そういう人を作り、読者をイラつかせる展開ですが
今回は無能だが態度のでかい刑事
彼は正論を言うのですが、明らかに事件の解決の邪魔ばかりしているんです。

そういう嫌な存在を入れることで、解決した時のカタルシスというのか満足感を倍増させているのがわかりました。

前回までは、このパターンを使ってこなかったように思えます。


2022 10 25
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