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感想 悪の教典  貴志 祐介  頭のいいサイコパス教師と生徒の頭脳戦。デスバトルです。

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ジャンルは何になるのだろう?
暴力小説?、犯罪小説?、ホラー?。
究極の「悪」を描きたかった?。

頭のいいサイコパスの教師が主人公。
彼は殺人鬼だ。

共感能力。感情がない。

なのに、人気者の先生。
ESS倶楽部の女子生徒と、彼のファンの親衛隊の女子集団から好かれ
イジメも撲滅させようとしていたので、弱い生徒からも慕われていた。

しかし、その実態は極悪人。

何人もの人をはめたり、殺したりするのだが
釣井先生のアレだけは少し違和感あります。

終電で自殺偽装をするのだが
都心の終電って、実はかなり人が多い
田舎でもかなり多くて
人なんか殺したら目立ちます。

これはちよっと無理です。

見どころは、生徒全員を殺すデスバトル。
文化祭の準備で泊りがけで学校にいる生徒全員を猟銃で殺しまくる。
生徒との攻防、頭脳戦が面白い。
そこに伏兵となる体育教師2人が乱入
退学になった不良生徒
それにアーチェリーの生徒などなど
生徒側のキャラも立っていて面白い

展開がワクワクドキドキする形になっていて
とても面白い。

人は誰でも
自分が信じたいものを
信じる権利がある
人の思考って、少し偏っているところがあり
その歪みを利用して、こういうサイコパスに利用されるのです。

先生を盲信したことで殺された生徒たち
とくに女生徒たちが哀れに思いました。

学校という閉鎖空間を舞台にしたことで
この殺人鬼の狂気が剥き出しになり
爆発したところが、本書の魅力だと感じました。


2022 8 27



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