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感想 心心東京の星上海の月 石田 衣良 アニメの声優の話しから、中国の巨大企業の陰謀の話しになってしまい戸惑った。

アニメの声優学校が舞台。
上海から来た留学生心心とアニメ好きの少年との恋物語と思いきや・・・
実は、彼女は大富豪の娘だったという・・・

アニメ業界のこと、中国の経済がすごいこと
色々と今を切り取っていて面白いのですが・・・

後半は、お家乗っ取りを企む叔父さんが出てきて
心心の同級生たちを人質にしたり誘惑したり
ようするに彼女の議決権が欲しいのです

人質の奪還やら、株主総会やら・・・
アニメも恋愛もどこ吹く風・・・
最後は、男たちの挽歌とか、ジョン・ウー監督作品みたいなアクションになってしまい。
何じゃ、それって感じ。

それでも読ませる話しなので、そこそこは楽しいです。
そこは石田衣良さんの腕というところでしょうかね。

アニメ業界のことや、演技などについてディテールが細かくていいのですが
出てくるアニメの大半が古い
ドラゴンボールが多すぎ。
クリリンが数十回出てきます。
ガンダムとかエヴァンゲリヲンとか、ちょっと・・・古いし
ギャグもまったく笑えなかった。

この物語で印象に残ったのは
国籍なんか関係ないという点
中国というと共産主義でへんてこな国という印象を持っていたが
みんな権威や金が好きだし
貧富の差や差別もある

ただ、日本人の若者みたいに 諦めモードではなく
エネルギーがある。
そこはきちんと描かれていたと思う。

資本主義よりももっと資本主義な考え方を持っているのかもしれないと思いました。
元々、そういう活気のある国なんですよ中国
なのに共産主義という形を採用して変てこなことになっているという感じがしました。


2022 4 30
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