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2021年1月の読書日記

2021年1月の読書日記


読んだ本の数:10
読んだページ数:2374

今年は忙しく基本土日しか読書ができていない。
だから、読んだ本の数が少ないです。
韓国文学にハマっているので、そちらが多いようです。

---おすすめの三冊---

オビー  キム・ヘジン
仕事の喜びと哀しみ  チャン リュジン
オール・アメリカン・ボーイズ   ジェイソン レノルズ,ブレンダン カイリー

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オビ―という小説は、ぜひ、手にとってもらいたい本です。
仕事の喜びと哀しみは韓国の本屋大賞受賞作品です。これも優れた作品です。

ミステリーでは、護られなかった者たちへ 中山 七里のモチーフがおもしろい。
エッセイですが、実は、内向的な人間です  ナム・インスク も良かった。
内向的な人が良くわかり、そこに自分との共通点も見出すことができて楽しい。

以下、読んだ本の簡単な感想。

約束の猫 (立東舎)の感想
猫を描いた短編集。最初の子供が子猫を隠れて飼う話しが切なかった。ラストは少し残念だが、周囲の家族の反応とかが温かくてとても優しい気分になれる良い作品でした。田舎のおばあさんのところに来ていた母子の猫の話しも良い。まるで猫を人間の友達か何かのように見ている、その優しい視線が僕のささくれた心を癒してくれました。猫に対する愛情がふんだんに刷り込まれた。とても優しい作品集でした。すごく優しい気持ちになれる本です。おすすめです。
読了日:01月02日 著者:村山 早紀,げみ


【日本語版】HAPPINESS IS... 幸せを感じる500のことの感想
幸せって近くにあるものだと感じさせてくれる良書。イラストと短い文で、幸せな場面を見せてくれます。読み終わると雲の上でも歩いているような幸せな気分になれますよ。犬の散歩、香りのいい石鹸、踊ってみる、星空の下で眠るなどなど、これは幸せとは何かを気づかせてくれる本です。
読了日:01月05日 著者:リサ・スウェーリング,ラルフ・レザー


オール・アメリカン・ボーイズオールの感想
白人と黒人の二人のパートを交互に展開し、1つの事件。黒人の少年への過度な警官の暴行を描いています。単なる黒人差別の問題ではなく、白人の視線からも描くことで、伝えたいモチーフが深堀りされて、かなり考えさせられる内容になっています。黒人の彼の心情は想定内なのですが、実の兄のように慕っていた警官を敵にまわしデモに参加する白人の彼の勇気こそ称賛されるべきもののように思います。中立でいることは、悪に加担したことになる。だから、一歩前に出ていく。それが大切なこと社会を変えていくことだというメッセージ伝わりました。
読了日:01月13日 著者:ジェイソン レノルズ,ブレンダン カイリー


バイデン時代の「最強」投資戦略 (資産はこの「黄金株」で殖やしなさい!)の感想
バイデン時代の「最強」投資戦略 菅下 清廣 あくまで投資をめぐるだが・・・、国際分析をされている。バイデンの経済政策だとか、アメリカの金融政策、イギリスのブレクジットの話し、イランをめぐる中東の問題や中国の不人気。ロシアの怖さなどなど・・・。政治評論家みたいな切り口で、とてもおもしろかった。メインは株式などの金融の話しだが、国際政治が好きな人も楽しめる。移民対策などの意見は左翼の人に叱られそうです。
読了日:01月16日 著者:菅下 清廣


オビー (韓国女性文学シリーズ9)の感想
9つの短編集に散りばめられているのは韓国社会の現実だ。貧困が定着したかの国では、若年層が悲鳴をあげている。これは日本の未来予想図なのやもしれん。生きている意味をなくし死を求める若者を描いた著者の処女作「チキン・ラン」が印象に残った。貧乏が理由に恋人に捨てられたチキンの配達員に50万ウォンやるから自殺の手伝いをしてくれと頼む貧乏な男。なかなか死ねない。この二人のやり取りが安物のてんぷら油みたいにねちっこくて、悪臭を放つ。死ななくてはならない。金がない。家賃も払えない。でも、死ぬほどの勇気はない、その葛藤。
読了日:01月17日 著者:キム・ヘジン


ビジネスエリート必読の名著15の感想
ビジネス書グランプリ受賞作の要約した内容になっていて、とてもわかりやすく魅力的に紹介されていました。何冊か既読の本もありました。堀江さんの多動力やメモの魔力、アウトプット大全などは完結にまとまっていて、きちんと魅力を表していたと思います。多動力に関して言うと、あれは堀江さんの熱量を浴びるために読むものであり、まとめではちょっと不満足。そんな感じに思いました。読んで損はない本です。
読了日:01月23日 著者:大賀 康史


ぼくもだよ。 神楽坂の奇跡の木曜日の感想
もっと、盲人の書評家の人物造形をしっかりして欲しいと思った。設定とか、構成とか、とてもいいのに、二人の関係性が盛り上がらないのは、そのためのような気がする。古書店主の方は良く人物が作り込まれていてすごく感情移入できた。盲人にしかわからない感覚とかあったと思う。そういうのを読みたかった。名前が違ったので、古書店主の話しと盲人の書評家の話しは別物と思っていたから、そこがつながった時は少し感動した。構成がいいと思う。元妻と盲人の書評家との関係とかもいいね。読後感はとてもいい。
読了日:01月24日 著者:平岡陽明


仕事の喜びと哀しみ (K-BOOK PASS 1)の感想
韓国の本屋大賞を受賞した作品だ。仕事をモチーフにした短編集。作品にエッジが効いていて読み応えがある。背景にある韓国社会の分断。男女の格差。働く環境など。色んな事が見え隠れしている。「タンペレ空港」のモチーフはせわしなさの中に大切なものを忘れてしまう。後まわしにしてしまう現代人。最後、気づいたのがいい。表題作のオークションアプリの出展者とアプリの社員の話しの中には社長の傲慢さが見え隠れしている。給料をポイントで支払うなんて許せない。俺の福岡ガイド。この作品も切なかった。こういう失恋は悲しい。
読了日:01月26日 著者:チャン リュジン


実は、内向的な人間ですの感想
自分とは違うと思った。こんな風な思考プロセスだと、すぐに病気になって自殺してしまいそう。内向きというかネガティブ。でも、共感できるところもある。くだくだと、いらんことを、いつまでも反省したり、次は失敗しないぞと、分析したりと無駄な時間を使うのはわかる。にしても社会性のスイッチを押さないと人と付き合えないというのは辛い。繊細ゆえに、この人は作家と言う仕事で成功しているのだろう。この生き辛さは、そのための、おまけなのかもしれない。
読了日:01月30日 著者:ナム・インスク


護られなかった者たちへの感想
ミステリーとしては、ラストのひねりは良かったが平凡。しかし、モチーフは胸をつく。護れなかった者たちは貧者のこと生活保護の需給がモチーフ。予算が決まっているのだから支給条件が厳しいのはわかる。でも、ヤクザが外車を乗り回し支給されているのに、その反面、餓死する人もいるという現状は看過できぬものがある。怖いから停止にはできない。新規はお断り。その匙加減は小役人に委ねられているというのも怖い。彼らにそんな大切なことを委ねていいのか疑問である。おばあちゃんの残した遺言が泣ける。
読了日:01月31日 著者:中山 七里

以上

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