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感想 殺しへのライン  アンソニー・ホロヴィッツ このミステリーがすごい2023年版海外編第2位。探偵と、彼の活躍を本にする著者が謎に挑むパターンは面白すぎる。

このミステリーがすごい2023年版海外編第2位。
このシリーズの楽しさは、ホーソーンという探偵のキャラにある。


どんな細かいことでも、決して見逃さず、その恐しく精緻な頭脳のどこかにきっちり記憶しておいて、必要な時には瞬時にひっぱりだしてくるのだから。どうしたら、そんな芸当ができるのやら、私にはとうてい想像もつかない。


アガサさんのポアロのような魅力的な探偵です。

ワトソン役で、作者のアンソニー・ホロヴィッツが登場し、ホーソーンの本を書くという理由で助手役をするのも楽しい。

この前代未聞の著者が助手という構造が魅力的なのです。
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ第3弾。

今回の舞台は島でした。
場所が限定される、行動範囲が狭いというのも興味深かった。

このオルダニー島で開催される文芸フェスに参加するということです。
たくさんの作家が来ていて、その複雑な人間関係が魅力的です。
この部分は退屈ですが、あとで関係してくるのでじっくり読まなくてはいけません。

警察の依頼により捜査に加わるという形なのですが、この警察の上の男はかなり癖があります。
この男の豹変ぶりも本書の魅力になります。

殺害された金持ちの男は、たくさんの人から恨まれており
夫婦間の関係性もかなり複雑。

海外ミステリー特有のたくさんの登場人物に驚くのですが、この容疑者の多数いる中から犯人を絞り込むという楽しさもありました。

詳しくはミステリーなので説明できないが、最後に強烈などんでん返しがあります。
まったくノーマークだった人が犯人なのにびっくりしました。

さすが、ホロヴィッツという切れ味のいいミステリー作品でした。


犯人に対する真摯な態度も好感がもてます。


だが、殺されて当然の人間なんかいないんだ、ああ。今はそんな風に自分に言い聞かせているのかもしれないが、本当はおたくにもわかっているはずだ。おたくは、そこで間違えたんだよ。




2024 6 3
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