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感想 春のこわいもの 川上未映子 読後感最悪、性悪女の見本市なのかと思ってしまった。

読後感の悪い性悪な感じの短編集でした。

屈折度合いがすごい。川上さんは少しそういうところがあるのですが、これは読んでて しんどい。

ブルー・インク、娘について、あなたの鼻がもう少し高ければの三作が面白かった。

ブルー・インク は少し村上春樹がかかっていて僕の好み。
snsとかをやらない女の子を好きになる。
文字にすると残るから嫌だと彼女は言う。
だから、いつも電話をしている。

そんな彼女から貰った手紙。
それを失くして放課後の美術室に捜しに行くという不思議な話し。
そこで性衝動に彼はかられる。
ここでやったことは誰も見てないし残らないし大丈夫かもという錯乱した感情に支配されそうになるのが怖い。

強烈なのは、あなたの鼻がもう少し高ければ という短編。
整形する金のために売春とか、ギャラ飲みとかをしようとするのだが、先に整形して来いよと、そいつらに言われる。

その金儲けのために女たちを集めている奴らも変だが
ルッキズムはおじさんたちによって批判され、そんなの価値ないとなっているが
でも、そんなのは性差別と同じで表面的で
彼女たちにしてみれば、まったく眼中にない。
顔がすべての世界が存在してて、それは金になるという背景がある。
だから、あいつらは強気なのだ。
そこが気持ち悪い。

娘について という短編の主人公の作家と、この本の作者川上さんがかぶった。
信じられないくらい性悪だ。

友達と同居し東京に出てきた。
女優になりたい友達、小説家になりたい彼女
ダメダメな友達には過保護な母がいる。
その人に彼女はよくして貰っているのに
勝手に、その親子を嫉妬し足を引っ張るようなことをする。
彼女の夢をつぶしたのは主人公の女だ。

その友達の母が名言を吐いている。

「自分が何をしあわせに思うか気づくのが、大事だと思うわ」


心に刺さった。
大切なことって人によって違うから。





2023 12 3



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