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感想 キノの旅XIX the Beautiful World  時雨沢恵一 感動系の話しがありました。今回はなかなかの出来です。

今回は、いい作品が何作かあり満足です。
いつもの不思議な国を旅するシリーズ19冊目。

今回は感動系の短編がありました。
「助けに来た国」です。
500年前に捨てた仲間たちを助けに来たが、彼らは猿人のような姿だった。
もともとはそういう姿らしい。
彼らに襲われ逃げ帰るが、写真には手を振っている姿が、一緒には生きれないが感謝なのだということです。

500年の間に姿も価値観も生活レベルもすべて変わりもはや同じ民族とは言えない。
そんな自分たちが、今さら、彼らの国に引き取られてもしあわせになれるはずがない。
ゆえの芝居です。
後に写真で判明するというオチが秀逸。

切れ味がいいのは「秀才の国」。
教育熱心な国で秀才を人工的に排出している。
人を物のように考えているところが怖いですね。
不良品は破棄処分って、それは殺害するということだね。
人間を機械みたいに考えています。

「秀才の国」の対比になっている「天才の国」も面白かった。
天才を探しに来ましたと言って、一番不幸そうな子を買ってまわる人々。
彼らは子孫が残せない。


姥捨て山みたいなのが「捨てる国」
65歳以上になると捨てられるのだが、その人たちだけで国を作っていて
親を捨てない孝行な子を機関を雇って脅し人員を確保するのが面白い。

他にも切れ味のいい不思議短編があり
今回は満足でした。


2023 8 14



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