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感想 雨月物語 (岩波文庫) 上田 秋成  作者は江戸時代の人。古典ホラーの数々。

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作者は江戸時代の人。
古典ホラーの名作と言われている作品です。

蛇の化身である女に付きまとわれる「蛇性の婬」
映像化しても楽しめるような最後の高僧とのバトルがあります。
けっこう、じめじめしてて怖いです。

亡き豊臣秀次の宴に招待されてしまう「仏法僧」
崇徳上皇の亡霊と遭遇する「白峰」

夢の中で鯉になって実際に釣り上げられてしまう「夢応の鯉魚」
この人は仮死状態になり魂が鯉に入り込んだのだろうか。
そこであった出来事は現実のことなのです。

「青頭巾」は人肉食いの話し。

一番怖いのは、「吉備津の釜」でしょうか。

この作品だけネタバレさせます。


吉備津の釜の占いで音がでなかった結婚をした磯良。
夫は浮気者で妻を放置し逃げてしまう。
この磯良が生霊となりという話しです。

釜でお湯が沸きあがったとき、吉兆ならば牛が吼えるような音が鳴り響き、凶兆ならば音が出ないといわれています。
音がならなかったのに、相手の男が自分のタイプだったから無視して結婚して不幸になったのだから、自業自得に思える。

女と駆け落ちするも、その女は死んでしまう。
呪詛ですかね。

奥さんの墓参りの時、若い女に声をかける。
浮気者の根性は変わらずです。
そして、自分のところの美人の雇い主が寂しがっているので訪ねて来てと言われ
男は、ほいほいと・・・。

そこにいたのは妻の磯良でした。

逃げ帰った彼は陰陽師に助けを求めます。体に呪文を書き、今から42日間物忌みをして、絶対に外に出てはいけない、と言い聞かせる。
耳なし芳一みたいですね。

殺されるのですが、そのシーンはなく。
髪の毛だけが残っている。
どんな目にあったのかをあえて描かぬことで
10倍怖さが増すという感じでした。

2022 7 2
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