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感想 最後の甲賀忍者  土橋 章宏 時は幕末、甲賀忍者の末裔たちは武士への復帰を目指し、いざ関ケ原ならぬ戊辰戦争に朝廷側として参戦し忍術を使い傍若無人というのか独立独歩というのか魅力的な戦いをするという劇画みたいな展開の時代小説。

リアリティと虚構が混在し、というか嘘臭さが多いが・・・楽しいエンタメ小説でした。
主人公のキャラ、忍者の虚構をはぎ取るようなリアル。そこが楽しい。

例えば手裏剣、重いだけで持ち歩くのも危険、攻撃力は皆無。
使う必要なし。使わない。
敵を殺害した後に、本作では忍者の仕事をアピールする目的で、わざわざ苦心し運んできた手裏剣をわざとらしく胸とかにさしておいた。
こういうシーンが楽しい。
斬られたと見せかけて丸太を置くという術も現実的ではなく脚色。
だいたい丸太を運べないからやるわけなし。

他の作で忍術などが作中に使われていて、それが忍者小説の魅力の一つなのだが、本作はリアル。
そういう術はすべて奇術のようにネタがあるという設定でした。

そのわりにはアクションシーンなどにおいてハチャメチャさがあり劇画的。
小説よりも漫画に近い雰囲気でした。

師匠の入道のこの言葉が忍者のリアルを語っている。

必ず勝つと思った時だけシノビは動くものよ



ですよね・・・・。


2024 6 28


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