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書評 血の轍 相場英雄  正義はときと場合によって姿を変える。そんなのは「正義」じゃないと思う。

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警察のOBが殺された。
その事件を二つの組織が追う。
刑事部の捜査一課と公安だ。

被害者の残したデーターは警察OBのところへ
そこでもデーターの奪い合い
さらに、その犯人と副総監が知り合いとなると
副総監sideの公安が事件の隠蔽
刑事部が犯人を逮捕しようとすると担当刑事を軽い罪で逮捕し妨害
報復として公安のデーターを暴露し警察組織の信用を落とす
捜査一課長の不倫スキャンダルを暴露という報復

犯人はその間に副総監たちが中国に逃がす

ここで出てくる言葉が

正義はときと場合によって姿を変える。

なのだが・・・、正義とは組織を守るための自己都合に使われるようなものだろうか?
そんな軽々しいものなのだろうか?
公安の正義も刑事部の正義も客観的に見るとおかしいのがわかる
正義とは誰が見ても聴いても「そうだ」と納得がいかないといけないものだと思う。

それぞれの正義が、犯人逮捕の妨げとなる。
そんな組織の論理は本当に必要なのか?。
単なる捜査の弊害だと思いました。
どんな組織にもある、この歪んだ正義の正体は我欲ではないのか?。

2020 11/6
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