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感想 27000冊ガーデン 大崎 梢  図書館の先生が探偵役の本にまつわるミステリー。ただし、謎解きは拍子抜け。

図書館の司書が探偵の本にまつわるミステリー小説です。
本の謎とくると、名作ビブリア古書堂の事件手帖シリーズと比較してしまいますが
本書は、明らかに格落ち

まず、出てくる本が売れ筋のベストセラー小説ばかり
面白い本たちだとは思いますが名作かというと?のものもある。
蘊蓄も深さもなし
さらに、謎解きのほうも稚拙なものが多く
強烈なオチとか、驚くような謎も出てきません

少しネタバレさせると
密室トリックで合鍵とか、ミステリーとしてダメですよ。

唯一の収穫は、図書館の司書の学校での立ち位置がリアルにわかったことです。
例えば、進学校だと受験が第一で、400ページの本を読んだだけで勉強の妨げとか非難されるという理不尽さ
その進学校で主人公は、追い出されるような形で転任していく
その後任のベテランの先生の言葉が好き

「本好きの生徒を守るのと、増やすのが学校司書の役目」


タイトルの『27000冊ガーデン』ですが
学校の図書館にある本の数の平均がそれくらいだそうです。

主人公のこの言葉が好きです。

本って、それそのものが密室みたいじゃない?
外から完璧に閉ざされていて、中で何が起きているか、まったくわからない。知りたかったら、表紙をめくり、書かれている文章を読んでみるしかない。そう思うと、図書館って密室だらけよ。楽しくない?。


本を密室に例える、この比喩が本書で一番好きなところです。



2023 5 30



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