せっせせっせと書いちゃうその心は
『スキ』『好き』『大好き』届けたい
『思い出』いっぱい届けたい
noteに好きなものや好きな事を書いている時の気持ちにぴったりなこちら
♬離れているときでも
私のこと
忘れないでいてほしいの
ねぇ
お願い♬
矢野顕子/『ひとつだけ』
『忘れないでいて』と言うよりは『思い出して欲しい』
ほんの一瞬でもいいから
セミの抜け殻、素朴な焼き菓子、鴨川で佇んでいる人、横断歩道を渡るとき、壁に張り付いたままのカメムシ、トンビの鳴き声
それらを見たり触れたとき私を思い出してほしい
そんな気持ちで取るに足りない『私の大好き』や何て事ない『思い出』をせっせせっせと書く
毎日夜に誰かしらと電話するという習慣のある人を理解できなかったけれど、今は少しわかる気がする
違うか
心躍る嬉しい瞬間
旅行のお土産をもらった時
旅先で私のことを一瞬でも思い出してくれたのだということに心が躍る
バラマキ用が余ったのだとしても、使わないものだとしても、子どもでも大人でも男性でも女性でもそんなに好きではない人からであっても
旅先の記憶や香り、その道のりや距離さえも愛しく感じ、自身の『思い出』にもなる
私と一緒にいないときに一瞬でも私のことを思い出だしてくれた、その事がとにかく嬉しい
何かを見聞きして思い出してもらった時
何年も前に同僚とその友人の4人で食事をした
”紹介“と聞くと断る私なので、直前に『お友だちをもうひとり連れて来るんやって』と告げられ行ったその場は楽しくご飯も美味しかったので促されるがまま”お友だち“と連絡先交換したものの、翌日形式的なやり取りをするだけだった
翌月、突然食事に誘われ、驚きつつも興味が湧きご一緒したがおとなしく静かでほとんど顔を上げてはくれず、私はその人のおでこを見つめながら、ひとりお喋りをし、美味しいベトナム料理を堪能し、もう一軒コーヒーを飲んでサヨナラをした
このときも当たり障りないお礼のメールのみで終わったが、年が明けた2月また突然にメールが来て
『大阪のハードロックカフェに行きませんか』
驚きしかなかった
年末年始のご挨拶もせず、突然来た半年ぶりの連絡が大阪のハードロックカフェへのお誘いとは
普通なら行かないのかもしれないが、こういとき好奇心や湧き起こる興味や疑問はもう抑えられない
とても真面目な研究者のその人が、顔も見ていないはずの、短時間話しただけでもわかるやかましくて話の合わなさそうな私を、大阪のハードロックカフェになぜ誘ってくれたのか
なぜ?どうして?
とにかく確かめたい気持ちが勝ってしまった
大阪で待ち合わせをしたがずいぶん早かったので歩きましょうと、歩いて向かう道中もこの方向は間違えているんじゃないかな?と思っても絶対に人に尋ねず携帯とにらめっこだし、その数日前話題になった同じ大学の人のニュース(割烹着を着た美人研究者の論文に関する疑惑)の話も全然知らないと言うし、額にびっしり汗をかいているのに上着を脱がないし、頭の良い人の考えることなんて私には計り知れないなと困惑しながらついていった
お店では大きなボリュームの音楽やヤンチャなメニューに気を取られ、その雰囲気を楽しんでいたからか饒舌で、長いことお会いしていなかったはずなのにやや打ち解けた様子が見えたので『どうしてこのお店に私を誘ってくれたのか』を尋ねると
『学会で横浜に行ったとき連れて行ってもらったんです。で、その時音楽が好きだと言っていたのを思い出し調べてみたら大阪にもあると知ったので誘ったんです』と答えてくれた
それに続けて『僕も“メタル”は惰性で聴くんです』と言っていた気がするが“惰性で聴く”の意味がわからずやはり頭のいい人の考えることは計り知れないなと困惑した
その頃、お店でかかっていたような曲は進んでは聴かないものの”伊藤政則“大先生の『LOCK ON』という深夜のラジオ番組を制作のときなんかに聴いていたので難しい研究の話や仲間の話を聞きながら、やや馴染みのある音楽に助けられながら楽しく過ごした
間をあけず連絡をもらった時、嘘ではなくその頃急遽決まった新しい仕事の予定がわからずそう答えたら『忙しいのにスミマセン』と返信があったっきり、連絡を取ることも会うこともなかった
甘く切ない思い出ということではないけれど『音楽が好き』と言った私のことを横浜という土地で思い出してくれた事と関西なら大阪にあるからと誘ってくれた人がいたという事がとても嬉しかった
少し前、起業した研究者の紹介の記事に“その仕組みを発見したのは子どもの手を引いて公園に行った際に。。。“とその人の記事があった
『賞とか、目立った活躍とか、僕には縁がないんです』と言っていたけれど研究を続けて起業もし家庭も持ち幸せに暮らしておられるのだなと思うとほんの数回お会いしただけの人との『思い出』と相まってひとり幸せな気持ちになった
『そんな事くらいで!?』と驚く人もいるだろが、こんな嬉しいことって本当に、私にはなかなかない
『そんな事』がこんなにも嬉しい人もいる
そして私も出掛けた先で、本屋さんで、耳にした音楽で、ニュースで読まれた地名で、何かを食べたとき、たどり着いたお店や場所で、ここで出会った文章とその主を思い浮かべその偏愛や愛情・思い出話に考えを巡らせ思いを馳せる
世の中の色んな“人”を知りたいと思っただけだったのに”自分“のような人がいた事も知ってもらいたいと欲を出し、一瞬でいいから思ってもらいたいその一心でこうして私は『スキ!好き!大好き』を雲のように積み上げて広げていく
それは通りすがりの人が空を見上げるとあんなに積み上がり広がっていた雲も気がつけば無くなっているような自然現象のようになかったことのようになるような頼りない話しだとしても、どこかの誰かの心に一瞬でも立ち寄りたい一心で書く
『苦手』『嫌い』も、自分の中でうんと悪いものに変わらないうちに笑い話で吐き出したいから書いちゃうんですけれども
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