大好きな『伯母の味』
まだ暑い日が続くので飽きもせず食べ続ける”味“に思う
母の姉、伯母のことが大好きで、その伯母の作るご飯も大好き
遊びに行くと作ってくれるご飯に大きく影響を受けている事に今さらながら気がつく
もう何年も遊びには行けてないけれども
明るくて、とても賢くて、物言いは厳しいし誰に対しても遠慮なくはっきりとものを言う
お金をかけず工夫された細やかな気配りで設えられたセンスの良い部屋や食器、手先の器用さから回ってくる専門的な内職のお仕事部屋や道具の色々、そして何と言っても伯母の作るご飯がとっっっても大好き
子さい時から『そんな事もしたことないの!?お母さんはあんたを甘やかしてるな~ 笑』
と言って心配性で怖がりの私を笑い飛ばし、甘やかさず色んなことをさせてくれて、色んなことを教えてくれた
『お母さんは「私に似て気があかん」と言うけれど、あんたはむしろ私に似てるとこあるから大丈夫、大丈夫』
とワッハッハと笑いながらそんな事を繰り返し言ってくれた
どんな顔を見せても、私は私、そのままで良い
不安や自信のなさから両親を始め周りの人の顔色ばかり見てしまい色々な事に気が滅入りがちなのに、別人級のあっけらかんなところや大胆なところも笑い飛ばし、それで良いと言ってくれる
あなたは大丈夫
この言葉に、その時包まれた安心感を思い出す、今日この頃
本当に私は人に恵まれていると思う
いつもいつも救ってくれる人がいる
ありがたくて心地よくて笑みがこぼれ涙が出そうになるほどの安心感に肩まで浸かり溶けてなくなりそうになる
伯母の家に行くと苦手だった食べ物は大好物に代わり、母を落胆させた
苦手克服、結構やないか!
母も手を変え品を変え、工夫を凝らし何でも食べられるようにしようとしてくれていたのだから、七輪で焼いたお茄子やピーマンにじゃっとお醤油かけて鰹節パラリで大好物に変わった!なんて言われたらショックを受けるのも致し方ない
友人も同じこと言っていて、今ならわかる、多分
母のご飯ももちろん美味しいし、大好きだけれど私が頻繁に作るお野菜沢山だったりお酢を使った味付けは、今改めて思うに伯母のご飯の影響が強い
中でも一番好きだったのは、ヒジキやワカメをキャベツ・きゅうりなどの野菜と合わせるサラダや和え物で、『息子(私のいとこ)が馬のように食べる』と言いながらたくさん作ってくれた
今でも思い出す、伯母が集めた自分の好みの器─厚ぼったいサラダボウルやゴツゴツとした片口の器、ザラリとした素焼きの平皿─に盛りつけられた沢山の大好物
実家では父親があまりお酢やお野菜沢山を好まなかったので、父の不在の時や自分で作るようになるまではこういったおかずは食卓には上がらなかった
キャベツの千切りと小松菜、ヒジキ・キクラゲ・蓮根(縦に切って)をフライパンで加熱したものをお酢とお味噌で和える
伯母はきゅうり、人参、ゴボウも入れてすり胡麻をどっさりかけたものを作ってくれた
『水菜入れたり、玉ねぎのスライス入れる時もあんねんで』とも言っていた
しょっちゅう会えるわけではなく、コロナもあり近年全然会えていない
何でもよくわかってくれている伯母に会ってしまったらつい私は色々話してしまうだろう
散々困らせたりしてきたけれど、伯母には伯母の生活があり元気といえど年も取ったし、私もいつまでも甘えられないし、何より大好きな人の顔が曇るのを見るのは嫌なのであんまり会えていない
そんな大好きな伯母の作ってくれたようなご飯を、私はこうして作っている
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