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ワークマンの本がおもしろすぎた1

かなり勉強になった本があったのでアウトプットしてインプットできたらと思います。

企業理念『機能と価格に新基準を実現し生活の可処分所得を増やす』
ワークマンの専務の本です。
恥ずかしい話。まだ行ったことはないのですが。本を読み終わる頃には行きたくてたまらなくなりました。

ワークマンとは

2020年3月期チェーン全店売り上げ1220億円。営業利益192億円。経常利益207億円。アパレル業界の粗利益70〜80%に対し、35%しかないのに経常利益は17%もある。10期連続最高益を更新中のワークマン。『しない経営』を行っている。目標を定め、ノルマを決め、期限までにやり切るといった多くの企業がやっている事は一切しない。『頑張る』はしないどころか禁止。2020年9月末現在、店舗合計885店舗ありユニクロの国内店舗数を抜いた。2019年12月には一時時価総額8600円を超え、外食王マクドナルドを上回ったこともある。

というような前書きでスタートします。ユニクロより多い、て知りませんでした。この時点で鷲掴みにされました。
以下、箇条書きですが。
印象に残った部分です。

値引きはお客様への裏切り行為

値引きしなくても売れる製品を作ることが基本だ。値引きはそもそも手間がかかり一部の顧客だけが得をして不公平だ。競合店が1980円の季節商品を1480円に値下げするなら初めから980円で売る。顧客への信頼感を築いてきたから、ほとんどのお客様が値札を見ないで買っていく。値段を上げて値引きで売ると、お客様はバーゲンでしか買わなくなる。製品の販売期間も短くなって売れ残りに繋がるといった悪循環に陥る。

しない事を積み重ねた圧倒的な強み

競争のない新市場を創造し消費者に高付加価値を低コストで提供することで利益の最大化を実現している。

見せ方を変え、客層を変えた

2018年9月に誕生したワークマンプラス。新たに開発した製品はない。もともとあった作業系1700アイテムから、派手めで一般の人がアウトドア、スポーツ、防水ウェアとして使える320アイテムを選んだ。後は見せ方を変えた。それまでのワークマンにはマネキンはなかった。スタイリッシュ何作業着をコーディネートしてマネキンに着せて店内のあちこちにお客様の全身を映す鏡を置き、試着室を広めにとった。もともとあった製品をマネキンに着せて違う客層に販売した。それが全て。製品ではなく客層の方を拡大した。

ブルーオーシャンの見つけ方

自社の強みを見つける。なければ強みを育てる。進出市場を選定する。市場を細分化してみる。社員のやる気を引き出す。小規模でテスト参入する。問題なければ本格的に参入する。

自社の強みはどこにある?

各企業には固有の存在意義や強みがある。それによって今日まで事業存続してきた。そこから逸脱した戦略は失敗する。自社が誰に、どのような価値を提供してきたか。誰が、どのような価値に対してお金を払ってくれたのか。それを確認することが重要だ。

競争力の3つの根源

大まかに自社の強みを見つける場合、競争力の3つの根源があるかがポイント。①差別化された製品力。②固定客を囲い込む顧客関係力。③現場の改善力、低コスト運営等の運営力。自社はどれが強いのか。
ちなみにウチ(soulmate)は3番だと思った。間接費や無駄なコストを徹底的にカットしているため売り上げが上がれば利益が出やすい。3番の会社はダントツ製品を強化したらいいと書いてあった。運営力と精神力の双方が強くなれば負けるリスクは低くなる。

ノルマやプレッシャーはかけない

ワークマンのマーケティング戦略は広告宣伝しなくても自然に売れる製品を目指している。大切なのはノルマや期限を設定せずプレッシャーをかけないこと。プレッシャーをかけてできる位の強みは数十年市場で食べられる本物の強みではない。強みは企業風土とも関わり、簡単にはできない。時間をかけてじっくり育てあげるべきだ。重要なのは経営トップの本気と社員のやる気。圧倒的な製品価値にするため、他の部署の人を徹底的に抑え、製品開発部門だけは人を5年間で3倍に増やし外部からデザイナーも呼び込んだ。

市場は変わり続ける

事業を立ち上げた時は誰にどんな価値を提供するかを明確にしていてもお客様や市場環境が変わり自社の製品の価値が落ちていることが多い

進出市場を分析、選定する方法

なんでも4象限の図にする。そうすると描きながらアイデアが浮かんでくる低価格ゾーンは魅力は少ないが徹底的にやり切ると競争相手がいなくなる。それには経営者の強い思いが必要だ。経営者が余計なことを全部止め計画のみを追求する。先ほど触れた自社の強み強化ポイントと合わせて考えながら4象限のどこに出るかを考える。こうした戦略マップを何度も書き直す。縦軸横軸の要素を変えたり業界を変えたりしながら考え続ける。参入余地のない市場や業態でも市場を細分化して隙間を探す。そうやって4000億のホワイト市場を見つけた。

製品開発は『異常検知』から

製品開発をするときは通常は絶対に来ないお客様がいないか、通常とは全く異なる使い方をしていないかを探す。お客様の方が知ってくれている。そうやって異常を探知し調査するのはブルーオーシャン市場拡大の原点だ。ワークマンも自社製品の使用法をターゲットとは考えていなかった一般のお客様に教わった。果たして私たちがお客様に提供してきたものは作業服なのか。目の前の製品が作業服であると言う思い込みを捨てゼロベースで考えると高機能ウェアという言葉が浮かんだ。お客様はワークマンの製品を高機能だから買ってくれている。高機能ウェアと定義し直すとお客様は作業者だけでなくアウトドア、スポーツ、ライダーや妊婦さんにまで広がる。高機能服を求めるお客様はいろいろな市場にいるのではないか。意識を変える必要があった。自分たちの幅が一般のお客様に売れるのは異常ではなく当たり前、そう認識を新たにした

お客様視点を身につける

お客様視点が普遍の原理だ。最終的にお金を払うのは誰か、その人たちがどんなニーズや未充足ニーズを持つか。そこにどんな価値を提供していくかを考え続ける。自分たちがやりたいこと、やらなくてはいけないことが先立つとどうしても自社目線の硬直した目線になってしまう。これは必要なはず、買ってくれるはずという思いばかりだと机上の空論で大損するリスクがある。それを回避するためには自分たちがお客様とする消費者になりきって考えることが大切だ。お客様になりきりどんな性格で、どこで、なぜ、この製品を購入しているのか、を徹底的に考えてみる。そうやって購買行動の全体像と詳細を把握する

ブロガーやYouTuberを巻き込んだ製品開発

ブログやYouTubeでワークマン製品のユニークな使い方を紹介してくれる人達が現れた。そこで「製品開発アンバサダー」になってもらった。ブロガーさんからも自分の製品ができたと喜びの声をもらうようなった。ただお金は一切払っていない。ワークマンの各店舗でブロガーさんのポスターを貼り出すとブロガーさんのアクセス数が増える。当社の製品が売れる。お互いに金銭の授受なしにWin winの関係を築いている。製品開発の打ち合わせから参加してもらい新製品企画や継続製品では翌年のアイデアをどんどん出してもらっている。アンバサダーはそれぞれの分野について次なるトレンドを作り出す影響力を持っている。だからその人たちの意見を聞くのが1番良い。その分野に詳しくない一般人1000人の意見を聞くより、影響力のあるアンバサダーの言うことをほぼ丸呑みして製品に反映している。報酬を受け取ってもらうとどうしても製品を褒めることに比重がいく。ただ無償なので製品の悪口を言っても良い。苦言が拡散されることもあるがそれも大歓迎だ

ブルーオーシャン戦略

ブルーオーシャン市場の拡張戦略で実際にやった事は、ダントツ製品を開発するのが全体の6割。アンバサダーマーケティング戦略が3割。空間戦略が1割だ。製品だけでは売り上げは3〜4%しか伸びなかった。良い製品を隠し持っていても気づかれない。そこに風穴を開けたのが異常値の検知である。それがアンバサダーマーケティングに繋がる。後は自社のポジショニングマップを見直し店舗の空間戦略で攻めた。

4つのしない経営

しないを徹底しよう。目標は少なく、人はかけずに、お金をかけずに、期限を定めず、にスタートしよう。そのかわり企画と準備には時間をかけ、目標を達成するまでは絶対にやり切る。

メガトレンドに注目し、未来を予想する

将来の予測が難しい。世の中の変化のスピードが速いし今回の新型コロナのように何が起こるかわからない。ただし予測が当たるか当たらないかは
置いといて、複数の可能性をリストアップし社内で共有することで変化に対応する準備ができる。社会、経済、技術、生活環境などの分野から自社にインパクトを及ぼす可能性があるメガトレンドを特定し、それが将来の顧客や市場に及ぼす影響を先読みし戦略策定のプロセスに組み込む。
例えば
コロナで予防のために常に人との距離が気になり手や指を清潔に気をつけていった日常も当たり前になった。外食や旅行はこれまでのような気楽な活動ではなくなり少し心理的ハードルが上がった。飲食業や観光業は産業規模としてかなり縮小するかもしれない。一方で家族でのキャンプや身近な場所でのバーベキューは増えるだろう。またオンラインサービスも新ビジネスが続々と誕生するだろう。働き方改革やリモートワークの普及で残業がなくなると収入は5から10%減る。そうすると高機能低価格と言うバリュー志向が強まるだろう。このように時代の変化を予想しながら、次の客層拡大を考えよう。

人の意見を聞く

私の考えは50%間違っていると常に考え周りにもそのように伝えている。アイデアを多くの人に言ってみて叩いてもらいながら修正する。議論しながら変えてみる。

と、ここまででまだ2章です。7章まであります。


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