結び目

みようみまね短歌とか、街歩きとか、なんかいいなと思ったものを書きます。 めっちゃ田舎で…

結び目

みようみまね短歌とか、街歩きとか、なんかいいなと思ったものを書きます。 めっちゃ田舎で生まれ育って暮らしています。

最近の記事

旧津山往来(岡山市街地)をちょっとだけ歩く

消滅しそうな有休休暇に命を与えんと、9月は連休が多いにも関わらず更に有休をねじ込んで連休を延長したり錬成したり。 基本はインドア派だが、連休となれば気持ちにも体力にもゆとりが生まれる。そして私は街歩きに出発した。 水路の上の、几帳面な家 今回はリーセントカルチャーホテル裏あたりの、旧津山往来上にある建物を見るのが目的。 アリーナから道を挟んで狭い道に入る。 旭川から分岐した用水路の上に、Googleマップで見た物件がある。 もちろん、水路の上に建っているわけではない。木造

    • 都市鑑賞歩行:北長瀬駅→岡山駅を歩く

      意識的に都市鑑賞をはじめて数年が経つ。 岡山駅周辺の繁華街から住宅が交わるエリアを中心に歩いてきたけど、この頃は推し物件の安否確認になることが多く、新しいエリアに踏み込むことができていなかった。方向音痴とビビリな性格ゆえでもあるのだけど。 歩いたことのないエリアを歩きたいと思い、岡山駅周辺に車を停めて、JRで一駅移動し、歩いて岡山駅に戻ってくる一駅ウォーキングを計画した。 大都会岡山の市街地エリアの一駅ならば徒歩圏内じゃろ……と調べると、だいたい2~3キロ。ちょうどいい距離

      • 推しが更地になる界隈

        古い建物を愛することは喪失と背中わせだ。 Googleマップ散歩で見つけた、なんの変哲もない角地の建物。 駅前エリアの繁華街から少しだけ遠ざかった立地でなにかしらの商売を営んでいたのか、出入り口が多い。 この建物の何が目を引いたって、二階の窓がステンドグラスっぽいのだ。 最新のストリートビューでは左側の窓はモザイクになっているが、過去に遡ると白百合の模様が見える。右側は赤青黄緑の色ガラスがランダムに配置されている。建物左に回り込むと、とても小さな小窓にも模様が入れられている

        • 都市鑑賞趣味、黎明期

          けっこう高レベルな田舎で暮らしている。見渡す限り田んぼと畑と山だし、めちゃくちゃ星がキレイに見える。 市街地まで車で片道一時間。 映画を見よう、買い物をしよう、あのお店でご飯を食べよう。何かしらの目的を掲げて街に出る。 道中、いつも観察する建物が幾つかある。ビルの二階から突き出された物干しに洗濯物がかかっていたり、コンクリの塀越しに紫陽花が咲いているのを見ると嬉しくなる。街に出る「ついで」に都市景観を楽しんでいた。 その「ついで」を目的に据えてもいいんだと気付いたのは、SN

        旧津山往来(岡山市街地)をちょっとだけ歩く

          私の扉を開いてきた書籍10選

          1.ひさの星/岩崎ちひろ 小学校一年生の時に読書感想文で賞をとって、自分は国語が得意!とアイデンティティを獲得した一冊。 絵本自体は誕生日プレゼントに父が買ってくれたもの。物語は美しいけれど、自己犠牲を賛美しすぎていてあまり好きではない。 2.南総里見八犬伝/曲亭馬琴 小学生の頃、年に2~3日は「明日、休みまーす」と言って休む子だった。体調が悪いわけではないので完全にズル休みなわけだが、割と寛容な親だったので許容されていた。 小学校三年生の頃もズル休みをかまし、ゴロゴロ

          私の扉を開いてきた書籍10選

          岡山ウェストゲートの気になる家

          西口の椿  岡山駅周辺の西口筋に面して、青い屋根の家が建っている。 店舗が並ぶエリアに埋もれるように建つ民家で、白くて高い壁に囲まれている。その異質な感じが昔から気になっていた。  西口の再開発計画の影響か、2022年頃には隣にあったタバコ屋やカメラ屋の古いビルが取り壊され、さほど時間を置かず、裏に建っていた巨大な立体駐車場がせり出し始め、家の倍は高さのあるパーキングに抱え込まれるように存在することになった。日照権が守られているのかと心配になる。  たぶん空き家なんだけど、

          岡山ウェストゲートの気になる家

          誰が縦書きにすると決めたのか

          この建物はGoogleストリートビューで発見しました。 地元の街歩き・物件ファンにとっては有名な建物みたい。 そりゃこんな看板見たら撃ち抜かれちゃうよねと思った。 なんなのこのフォント。なんで縦書きなの。なんでこの大きさなの。 最高です。 アパートやマンションの名前ってもうちょっと慎ましく建物に添えられているイメージなので、こんなにデデンって書く? この界隈にはビルに住所をデデンと書いている建物がいくつか存在するけど、師を同じくする建築家さんによるデザインなんじゃないかと思

          誰が縦書きにすると決めたのか

          映画「PERFECT DAYS」と私の岡山PERFECT DAY

          年度末で心と自由時間が死ぬ前に遊んでおこうと思い、木曜日に有休をねじ込んで、気になっていた映画「PERFECT DAYS」を観に行くことにした。 古い建物が好きで、建物鑑賞を目的に街歩きをすることがある。 屋上の物干し、軒先の園芸、錆びた面格子や階段。そんな景観を見ながら、自分の人生と交わることのないであろう人の暮らしを想像してみるのが好き。 主人公・平山は、私が好きな建物の内側に住んでいる人だと感じた。 だからずっとこの映画を観たかったのだけど、腰が重い私はぐずぐずと機会

          映画「PERFECT DAYS」と私の岡山PERFECT DAY

          水色タイルのおうち

          臆病な私の都市鑑賞は、さも「いつもここを通っている者ですが?」という雰囲気を発しながら足を止めずに歩くスタイルだけど、この建物に出会った時には思わず足を止めてしまいました。 くすんだ水色のモザイクタイル。 大きな窓はショーウィンドウだったのかな? おしゃれな面格子は昔懐かしい「ブティック」が似合いそうな曲線美を描きます。 一階の屋根部分はルーフバルコニー的な構造だったりしないのかな。 タバコ屋さんっぽい小さなカウンター付き窓口もある。 レンガ調の部分は窓じゃなくて外壁のアク

          水色タイルのおうち

          2024年やりたいことリスト

          抱負とか目標とかを掲げるのが嫌いな人間が、やりたいことすら記録しておかないと覚えておけないお年頃になったので備忘録として。 仕事はじめの週は毎日定時退社をキメる(毎年恒例の抱負) 京橋朝市に行く 高コレステロール値をどうにかするための治療をする クローゼットに壁紙を貼る 街歩きをもっとする 少しばかりの体力維持を心がける

          2024年やりたいことリスト

          短歌 2023年

          水曜の年次休暇半券とスタバの人魚わたしを雪ぐ (2023/3/17) 「よし!」と言い手を叩いても三秒後あふれるため息それでも進め (2023/3/17) 冬が好きそれなのに春花が咲く芽吹く体が踊りだす春 (2023/05/23) 屋上に誰かが干した洗濯をストリートビューで眺める休日 (2023/05/23) 一茎の盛の過ぎた向日葵が賢者に見えた月末の帰途 (2023/08/05) 百日紅紫陽花椿咲く家のライフラインは二つ止まった (2023/9/14) 美味いな

          短歌 2023年

          短歌 2022年

          2022/01/02 21:44 海原に揺蕩う我が身拾うのはラジオネームを読みあげる声 2022/01/0712:51 早逝の父に並んでみる四十路無念もあるし希望もあるし 2022/02/19 20:40 セーフティーネット突き破る人の隣にしゃがむ迷宮の果 2022/02/19 20:41 枝豆は愚痴を言いつつ食べるのが塩加減より重要なこと 2022/07/09 21:09 猫の背は何も背負わぬなだらかさ羨む人も振り返らない 2022/07/09 21:10 背を

          短歌 2022年

          短歌 2021年

          2021/01/02 21:10 初晴れうたた寝の祖母卒寿の魂若人と箱根を駆ける 2021/03/19 12:30 タスクってラスクみたいに軽やかに噛み砕きたい夢想する5時 2021/04/03 10:13 過ぎ去った三月までを諦めて残り九つ堪能したく

          短歌 2021年

          短歌 2020年

          2020/02/26 22:06 ドラレコをパンドラとせん罵詈悲嘆独語満たして会社へ向かう 2020/02/28 23:12 相談を時系列で喋る友よりも減らない私のパスタ 2020/03/02 21:54 土曜日に屑取りネット一掃し宮に仕える澱み取り去る 2020/03/07 21:25 私は紺猫の白足祖母は桃色春昼のサンダル 2020/03/23 21:18 相談できないのに140字ごとに愚痴は垂れ流せるのに 2020/03/29 15:03 スカートを穿け

          短歌 2020年