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都市鑑賞歩行:北長瀬駅→岡山駅を歩く

意識的に都市鑑賞をはじめて数年が経つ。
岡山駅周辺の繁華街から住宅が交わるエリアを中心に歩いてきたけど、この頃は推し物件の安否確認になることが多く、新しいエリアに踏み込むことができていなかった。方向音痴とビビリな性格ゆえでもあるのだけど。

歩いたことのないエリアを歩きたいと思い、岡山駅周辺に車を停めて、JRで一駅移動し、歩いて岡山駅に戻ってくる一駅ウォーキングを計画した。
大都会岡山の市街地エリアの一駅ならば徒歩圏内じゃろ……と調べると、だいたい2~3キロ。ちょうどいい距離だ。
岡山駅は在来線8本が発着している。複数ある選択肢の中から、今回は北長瀬駅をチョイスした。

久々の電車移動で北長瀬駅に降り立ち、あとはノープラン。
岡山駅方面に向かって、良さげな路地や建物に引き寄せられるように歩く計画だったが、この日も熱中症警戒アラートが発令されていた。9月中旬なのに!
暑さで視界も思考も白く濁り、コースもあまりよくは無かったのかテンションが上がる景観との出会いは少なかった。

今回、特別な体験になったのは地下道を歩けたことだ。
車生活なので島田と野田の地下道はしょっちゅう通るが、他に歩行者や自転車のみが通れる細い地下道があるのをGoogleマップで見つけていた。
通れたらいいなーくらいに思っていたが、いつの間にか二十四ヶ坪地下道に辿り着けていた。会社の敷地のようなところから入るので最初はドキドキするけど、ちゃんと地下道は広がっていた。

地下道の入口

地下道にありがちな落書きも匂いもない。鍾乳洞のような道。
壁が白っぽくて照明もあるので全体が明るい。ところどころ天井が空いていて空を見上げることができ、出口の光も見えるので閉塞感はあまり感じない。
平日昼前の通行人は私一人。心躍るシチュエーションだったが、通学通勤時間には混み合うようで、ローカルニュースの地域課題にも取り上げられていたようだ。バイクや自転車が行き交うことを想像すると、ちょっと狭いだろう。

閉塞感のない地下道
歩き終わるまで通行人は私ひとりだった

在来線、貨物路線の下を潜って岡山駅西口周辺に顔を出す。
すぐにフェンスに囲まれた畑があり、雑木に囲まれた民家が一軒建っている。その雰囲気も良かった。
けれども暑い。
このエリアにはもう一本の地下道があるので、今後はそちらにもチャレンジしたい。
涼しくなってから。

一駅ウォーキング、暑さに負けて不完全燃焼感が否めないが、作戦は良かったと思う。普段は車で通り眺めている街並みの裏側をじっくり見れるのはやはり徒歩だからこそ。誰かが毎日のように使う通学通勤路を、初めてで特別な機会として私が歩く。その交差しない邂逅が楽しいのだ。

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