アンサンブルの愉しみ

ピアノを弾く人は、ほかの楽器の方々と比べて誰かと一緒に演奏する機会が少ないです。


でも、アンサンブルはとても大切なので、なるべく意識して機会を得られるようにしてほしいです。


呼吸、フレーズ感、立体感、流れ、和声感、音楽的にいろいろなことを体感しながら学ぶことができます。

というか、何より楽しいです。


手軽なところだと連弾や歌。

もしチャンスがあれば、できるだけ多くの楽器の方と演奏してみてください。


そうすると、ピアノで一度に弾いているものが、実はたくさんの役割を持っていることに気が付けます。

そして一人で弾いても、アンサンブルの時のような感覚でいろんなキャラクターを引き出していけるようになります。


ソロで弾くときとデュオやトリオ、コンチェルトの時では使う神経も違います。

また歌の場合は、リートの時とオペラのアリアの時では、ピアノの弾き方も変える必要があります。コーラスもまた全然違います。


それでも、誰かと演奏する時の一番の醍醐味は、「せめぎあい」だと感じます。


それぞれの音楽性がぶつかり合い、化学反応を起こして調和する、そのギリギリのところまで持っていける、そんな演奏が理想的に思えます。


「即興性」とも思えるそれは、まさに一期一会。


練習の時も本番の時も、互いの音をよく聴き、反応し、仕掛けていける状態、つまり、「自由」を楽しめる状態まで作品をよく読み込んでおく必要があります。


また、その時に、必要最小限のこと以外は、相手を尊重し、同じくらい自分を尊重することが大切かな、と思います。

仲良しごっこをする必要はないですが、自立しあってお互いの良さを引き出していけるバランスがあると、素敵だなと思います。


タイミングは人それぞれ違うので、最初の合わせの時は一番緊張します😶


弦楽器は弓が弦に触れた瞬間が見える、とはいえ、音の立ち上がり方、スピード感が全く違います。

管楽器は息のタイミングで一見難しそうですが、慣れもあります。


フルートやクラリネットと演奏が続いた後に弦楽器と演奏した時、感覚が戻るまで変な感じがしました。

だから頭の整理もよくしておいたほうが良いと思います😂


歌の方は、まず体調と声の調子で大きく変わります。

無理をさせないように気をつけて音を添えたほうが良いです。

ただ、本番は多くの方、ものすごくパワフルに歌われます。

声の伸びを大事に、気持ちよく歌ってもらえるよう、様子をよく見ながら演奏するようにしています。


連弾と2台ピアノでは、また違いますよね。

ダイナミックなのは2台ピアノですが、私の感覚では連弾のほうが難しいです。

物理的にぶつかりやすいし、ぴったり、本当にぴっっったり合わせないと、かなり目立ちます。


でも連弾は、早いうちからやっておくことをオススメします。

え、もう遅い…と思った方も大丈夫です。

気付いたときが一番早いので、習っている先生がいる方はぜひ先生にご相談してみたください😊


個人的には、クラリネットとの演奏が多かったためか、好きですね、クラリネット。良い作品もたくさんあるんですよ💕


ダントツに好きなブラームスのクラリネット・ソナタの2番。これはヴィオラとも弾きました。



また、アンサンブルとして好きな演奏をあげておきます。

オーギュスタン・デュメイ&マリア・ジョアン・ピリス、ラヴェルのツィガーヌ


ツィガーヌも演奏家の個性が出やすい作品なので、ぜひ聴き比べ、してみてくださいね。

私は演奏する時、最初の長いヴァイオリンのソロの間はどこを見ていたら良いのかなーというのが、いつもまず悩むところです🤣

クラシック音楽を届け、伝え続けていくことが夢です。これまで頂いたものは人道支援寄付金(ADRA、UNICEF、日本赤十字社)に充てさせて頂きました。今後とも宜しくお願いします。 深貝理紗子 https://risakofukagai-official.jimdofree.com/