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第6週 「ふたりの決意」#アイーダ凱旋行進曲

NHK連続テレビ小説「エール」第6週26話(5/4放送)に登場した曲です。【三郎からの知らせはウソ】

ジュゼッペ・ヴェルディ作曲 アイーダ凱旋行進曲

父の三郎から家族を説得したという知らせを受け…..

「福島の川俣に帰ってきた裕一。諦めかけていた夢の道が開かれ、最愛の人とも結ばれ、まさに夢見心地でした」
というナレーション終わりで、裕一を見かけた街の人が「賞金やらなんやらで合計....」とイギリスの音楽コンクールで入賞したことを知って噂する横を、三郎以外の家族が反対しているとは思わず、颯爽と歩く裕一のBGMとして流れました。

ほんの僅か流れただけでしたが、”凱旋”とくれば!この曲ですね。

アイーダ凱旋行進曲は、イタリアのロマン派の作曲家ジュゼッペ・ヴェルディ(1813~1901)が作曲したオペラ「アイーダ」の第2幕第2場で演奏される曲です。

オペラは、エジプト総督イスマーイール・パシャが、カイロに開場したオペラ劇場のための式典の祝賀音楽をヴェルディに依頼したことから作曲されました。初演は、1871年にカイロで行われ、大成功を収めました。

オペラの舞台は、ファラオ時代のエジプトとエチオピア。
国同士の争いの物語であり、敵国の人間を愛してしまった“禁断の愛”の物語でもあります。ピラミッドの麓で上演されたこともある壮大なオペラです。

 凱旋行進曲は、エチオピア軍に勝利したエジプト軍の将軍ラメダスが、軍勢を率いて凱旋するシーンで演奏されます。ベルの部分が長く伸びたファンファーレ用の特別なトランペット、いわゆるアイーダトランペットが用いられ、舞台上で演奏されることが慣例となっています。

またこの曲は、サッカー日本代表を応援する定番曲となっているので、何となく聞いたことがあるという方も多いと思います。

ここで、豆知識!エールの中で、主人公の作曲家古山裕一は、オペラ歌手を目指している音さんと夫婦ですが、なんと、アイーダの作曲家ヴェルディも、妻ジュゼッピーナは、オペラ歌手なんです。
更に、このオペラのイタリア初演のアイーダ役には、当時ヴェルディの愛人と噂されていたテレーザというソプラノ歌手が抜擢されました。作曲家と歌手という組み合わせは、古今東西を通じて、最も相性のいい組み合わせなのかもしれませんね。
(文:ミュージックソムリエ 藤井 憲治    指揮者/アートプロデューサー)


NHK連続テレビ小説「エール」 (NHK総合月〜金 朝8:00〜8:15、12:45〜13:00、土曜日は1週間を振り返ります。その他NHK BSプレミアム、NHK BS4Kでもオンエア中です。    
*放送予定 3月30日〜9月26日
またNHKオンデマンドでも見逃し放送をご覧になることができます。

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