コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」

ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴る、 オーディオ的視点コラム! […

コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」

ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴る、 オーディオ的視点コラム! [鈴木裕/田中伊佐資/炭山アキラ]

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第348回/遠い過去と近い将来のことを考えた2月[田中伊佐資・最終回]

●2月×日/僕がミュージックバードで初めて出演したのは、ちょうど20年前の2003年だった。それはカメラマンの山本博道さんとオーディオ・マニア宅やメーカーの試聴室などを訪ねる「PCMオーディオ探険隊」というトーク番組だった。 ステレオ誌にはその会話を文字に起こした対談が連載になった。1年で終えるつもりだったが、3年も続いた。  再び声をかけてもらって2009年に始まったのが「ジャズ・サウンド大爆発!オレのはらわたをエグっておくれ」だ。  ジャズの優秀録音盤を紹介する1時間番組

    • 第347回/4年間の変化をたどろう[炭山アキラ・最終回]

       亡くなられた村井裕弥さんに代わって私がこのコラム執筆を拝命したのは2019年の4月、ちょうど今回でまる4年が経過したことになる。そこで今回は、この4年でわがシステムの変化したところ、並びにそれによる音質向上の具合について書き進めていきたいと思う。 ■4ウェイはミッドバスが大幅進化  4ウェイ・マルチアンプの「ホーム・タワー」に用いているミッドバス・ユニットは当初フォステクスFE168EΣだったが、2019年の5月に故障が発生し、全く同じ銘柄の新しいユニットへ換装した。こ

      • 第346回/SHURE M44とV-15 TYPE3の交換針を比べる試聴会をやった1月[田中伊佐資]

        ●1月×日/昨年、静岡県の袋井市にある「ライブ&カフェ マムゼル」のマスター川村文久さんから「レコードやオーディオのトーク会をやりませんか」とお誘いを受けた。なんでもお客さんのなかでそれを企画している方がいるらしい。  僕は声がかかればどこでも喜んで参上するが、生々しい話をすると、問題はギャラだ。高額をふっかけているのではなく、支払うスポンサーがいないのだ。普通オーディオのイベントで行う場合、メーカーなどが宣伝・広報活動の一環として支払っている。  今回は入場料でまかなうしか

        • 第345回/カートリッジの使い分け術・補遺[炭山アキラ]

           音元出版「アナログ」誌の今出ている号、Vol.78で「カートリッジの使い分け術」という特集が組まれている。石田善之氏、石原俊氏、市川二朗氏、小原由夫氏、角田郁雄氏というそうそうたる面々に加えて、私も執筆陣に参加させてもらった。各氏それぞれに5本のカートリッジへの愛着と使い分けのコツなどを開陳されているのが、実に楽しいページだと感じる。  そんな中で私も5本のカートリッジそれぞれのキャラクターと似つかわしい音楽などについて述べたが、あの原稿、実は何度か書き直しを編集子に命ぜ

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        第348回/遠い過去と近い将来のことを考えた2月[田中伊佐資・最終回]

          第344回/2022年にシクじったレコードを振り返った12月[田中伊佐資]

          ●12月×日/年末になると、何につけ多くの雑誌はその年を振り返る意味で「なんとかベスト10」、オーディオだったら「なんちゃら賞」とかで誌面を賑わす。僕もそれに見習って、その年に聴いて良かった盤のことをこのコラムでも総括してきた。たとえば2021年の第280回とか2022年の第316回とか。  それを読者がレコードを買うときに参考にしていただけるのであればありがたいが、記事としてなんだかありきたりではある。  それよりも買ったけど見込み違いで、これはシクジっちまったなあといった

          第344回/2022年にシクじったレコードを振り返った12月[田中伊佐資]

          第343回/オーディオは「何を使うか」より「どう使うか」その(2)[炭山アキラ]

           腕に覚えのオーディオマニアには釈迦に説法のシリーズ、当欄の第335回では主にスピーカーのセッティングについて語ったが、その次にノウハウ次第で音を生かしも殺しもするのはアナログ周辺であろう。  かてて加えて、カートリッジやヘッドシェル、シェルリードなどはオーディオ機器の中で最も気軽に購入できるジャンルだから、何度も買ってきては「何だ、音悪いじゃん」とすぐ諦めてしまってはいないだろうか。それですぐ手放してしまう前に、もう一遊びしてみてはいかがだろう。 ■物価高の世にあって健

          第343回/オーディオは「何を使うか」より「どう使うか」その(2)[炭山アキラ]

          第342回/2022年に追加したオーディオ・アクセサリーを振り返った11月[田中伊佐資]

          ●11月×日/考えてみれば、このコラムは「ミュージックバードってオーディオだ!」というタイトルなのだが、このところのネタはレコードのことばかりでオーディオはとんとご無沙汰だった。  僕はオーディオ評論家ではないから新製品を試聴する機会はないし、大物のオーディオを買い替える予定もないから、いきおい興味があるレコードのことばかりになる。これは仕方がない。  ただまあ、そうやって開き直っていてもオトナ気ないわけで、一応コラムの意図を考慮して2022年に追加した自分のオーディオアクセ

          第342回/2022年に追加したオーディオ・アクセサリーを振り返った11月[田中伊佐資]

          第341回/家電大手の"本気"を見よ![炭山アキラ]

           日本のオーディオ全盛期、それは家電大手が最も元気だった頃とほぼぴったり重なっている。即ち1960~80年代くらいの話だ。日本のオーディオ業界は、こちらも全盛を誇ったオーディオ専業のパイオニア、サンスイ、トリオ、オンキヨー、ティアックなど、数え上げれば切りがないメーカー群に加え、東芝AUREX、日立Lo-D、シャープOPTONICA、三洋電機OTTO、NEC DianGoなど、家電大手各社が独自のブランドを付した莫大な量のオーディオ・コンポーネントを市場へ送り出していた。そん

          第341回/家電大手の"本気"を見よ![炭山アキラ]

          第340回/レコードの収納方法を「ジャケアップ式」にした10月[田中伊佐資]

          ●10月×日/レコードがいいのはジャケットが大きいところ。みたいなことはよく聞く話だが、実は見てくれにおいて弱点はある。背幅が薄い。印刷してある文字が小さい。読みにくい。僕はこのところ老眼が進んでいることもあって読もうとする気すら起こらない。  ほんの数ミリ幅が広いだけだが、CDの背文字は視認性がよく、プラケースに保護されていることもあって印刷がヘタっていない。タイトルもミュージシャン名もわかりやすい。CDはこの点で勝っている。  ラックに立てかけたレコードを当てもなく、さ

          第340回/レコードの収納方法を「ジャケアップ式」にした10月[田中伊佐資]

          【アーカイヴ】第100回/2年半余りの内容を振り返る[村井裕弥]

          3人で書き継いできたこのコラムも、ついに100回を迎えた。先月担当者から、「何でもご自由にお書きくださいという形で始めちゃって、かえって書きにくかったでしょうか」と訊かれたが、冒頭に「雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス」とあるように、「どこからも依頼の来ないネタ」「少々危なくて書きにくいネタ」を毎月気持ちよく書かせてもらっている。  いま、自分のバックナンバーをざっと読み返したが、  ○ ミュージックバードのチューナーとアンテナ(使いこなし術その他)

          【アーカイヴ】第100回/2年半余りの内容を振り返る[村井裕弥]

          【アーカイヴ】第101回/ちょっとマニアックなアナログプレーヤーの話 [鈴木裕]

           アナログレコードの再生の、そのイメージ的なことをしたためてみたい。  基本的にはアナログレコードの電源は、プラッターを回転させたり、その制御に使われている。なのに不思議なのは、壁コンセントや電源ケーブルを変更すると音が変わるという事実だ。クリーン電源を使わない場合、壁コンセントからの電圧が不安定でそれがプラッターの回転の不安定さに反映され、音程が微妙に悪く聞こえる場合もあるというのは理解しやすいだろう。しかし電源を変えると、音が力強くなったり、繊細感が出たり、コントラストが

          【アーカイヴ】第101回/ちょっとマニアックなアナログプレーヤーの話 [鈴木裕]

          【アーカイヴ】第102回/電源トランスとMCトランスのダブル・トランス効力を身をもって味わった11月 [田中伊佐資]

          ●11月×日/「音ミゾ」でビリー・ジョエル・コレクターのソリアーノ・タナカさんにゲスト出演してもらう。60年代のビリーを聴かせてもらったたが、ブレイクしてからのイメージとはかなり違って、意外にもハードロックをやっていたのは面白かった。  しかし最も驚愕したのは、タナカさんはビリーの大ヒット曲「素顔のままで」(『ストレンジャー』収録)で聴けるフェンダー・ローズの現物そのものを所有していることだった。ビリー・ジョエル記念館ができたら寄贈しないといけない。  なぜビリーが手放して、

          【アーカイヴ】第102回/電源トランスとMCトランスのダブル・トランス効力を身をもって味わった11月 [田中伊佐資]

          【アーカイヴ】第103回/手作りSDカードプレーヤーの衝撃[村井裕弥]

           11月に「手作りSDカードプレーヤーでハイレゾを聴こう」という特集をお送りした。技術系オーディオ愛好家・的場文平さんが自作したSDカードプレーヤーをスタジオに持ち込み、それを使って、様々なハイレゾ・ファイルを再生。個人的には、スフォルツァートDSP-01を持ち込んだ特集(2015年6月)に肉薄する高音質であったと感じている。  もちろん、放送はハイレゾでないから、その手作りSDカードプレーヤーによってD/A変換された音を再びA/D変換して電波にのせているわけだが、それでも例

          【アーカイヴ】第103回/手作りSDカードプレーヤーの衝撃[村井裕弥]

          【アーカイヴ】第104回/23年ぶりのアナログプレーヤー [鈴木裕]

           1993年、ケンウッドのアナログプレーヤーKP-9010を購入した。自分にとってはこれが今に続くうちのオーディオの端緒だった。それ以前もオーディオはあったが、意識的に考えて選択し、構築していく、そのスタートだった。その次にアキュフェーズのC-280というプリアンプを個人売買してもらい、次にパワーアンプ、次にCDプレーヤーを…と本格的なオーディオシステム構築へと続くことになるのだが。ちなみにアナログレコードを聴くことは1970年代からずっと続けていて、一回もやめたことはない。

          【アーカイヴ】第104回/23年ぶりのアナログプレーヤー [鈴木裕]

          【アーカイヴ】第105回/月日が経つのはメッチャ早いよなあとありきたりのことを反芻した12月 [田中伊佐資]

           ●12月×日/監修した「新宿ピットインの50年」(河出書房新社)が遂に発売。この話をピットインから頂戴したのが2013年の春。2年半後か、ずいぶん先だなあなんてノンキに構えていたら、すぐにその時が来てしまった。  そういえば高校を卒業するときに「この3年間は一瞬だった。この調子だと人生は短いな」と達観したことを口走っていた友達がいた。コイツなに言ってんだとぼくは鼻で笑っていたが、あれからもう何十年経ったというのだ。アイツの言っていたことは間違っていなかった。となると、いまま

          【アーカイヴ】第105回/月日が経つのはメッチャ早いよなあとありきたりのことを反芻した12月 [田中伊佐資]

          【アーカイヴ】第106回/金銀コロイド液のおかげで[村井裕弥]

           2013年、古河電気工業がPCOCC(単結晶状高純度無酸素銅)の生産を終了。PCOCCを導体として採用していたケーブルメーカーは、おおよそ1年間をかけ、代替品を探した。 その結果たどり着いた結論は、 ○C1011 塩田電線 ○PC-TripleC サエク、アコースティックリヴァイブ ○HiFC ゾノトーン ○102SSC オヤイデ電気  このあたりの詳細は、2014年の『Stereo』誌10月号に書いたので、バックナンバーをお持ちの方はぜひ再読していただきたい。  あのイン

          【アーカイヴ】第106回/金銀コロイド液のおかげで[村井裕弥]