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語学講座を分析その1 DMM英会話

 再三の緊急事態宣言。大して家から出られず、大して楽しいイベントもなく、時間が余って仕方ないので、インターネット上の様々な語学講座を受講して、その分析と個人的感想を書いてみる。受講を検討中の方の参考になれば幸い。

 今回はかなり知名度のあるDMM英会話。すぐに登録でき、無料体験は2回可能。世界中に多数の講師がおり、講師を選ばなければ常に予約可能で、24時間受講できる。専用サイトに接続し、基本的にビデオで会話するということになっている。一回25分で、例え接続が悪く講師が延長を申し出てくれたとしても、28分で自動的に接続が切れる。

 なお、接続不良や、講師が時間になっても現れないなどの理由で、極端にレッスン時間が短縮された場合、その分の無料チケットを貰えるが、どちらにしろ毎日受講できるシステムなので、そこまで有り難みは感じない。

 レッスン方法は、サイトに用意されている教材を使ってレッスンを進めることも、フリートークも可能である。話しながら文章をやり取りすることも可能で、ミスなどその場で把握でき便利である。自己紹介をその度してもいいし、面倒くさければ一気に本題に入っても構わない。

 教材として用意されているものは種類豊富で、利用価値がある。初級者はこれを使った方が、スムーズに充実したレッスンが受けられるように思う。一般的に言って、フリートークは、それなりに多分野に精通しており、話題豊富で色んな切り返しができるレベルでないと、得られるものが少ない。

 DMM英会話のメリットとしては、まず安さが挙げられる。毎日利用できることを考えると、語学レッスンとしては破格だと思う。また、直前まで予約が可能なため、多忙な人でも、時間が余った際にすぐ予約して受講できるので、時間が無駄にならない。登録講師の人数が圧倒的に多いため、講師の能力などを選ばなければ、希望の時間にすぐ講師を見つけることが可能である。

 個人的に最もメリットを感じた点は、一応正式に提供しているのは、英語、韓国語、中国語の三ヶ国語だが、生徒と講師双方が同意すれば、ほぼ何の言語でも教えてもらうことが可能なことだ。例えば、英語、仏語、西語に堪能な講師を探して、同時に3つを教えてもらうことも可能なのだ。これは会社側にも確認し、問題はないとのこと。しかしこういった使い方をする場合、レッスン保証からは外れるらしい。

 デメリットはというと、安かろう悪かろうという点が否めないこと。まず、レッスン内容以前の問題として、専用サイトで行われるレッスンが、頻繁に接続状態が悪くなり、中断する。そういった場合、何人かの講師からビデオを切るように言われた。音声だけにすると多少接続が改善される場合もある。

 しかし、相手の顔を見て話せるかどうかは、語学学習において結構重要なポイントである。アイコンタクトが出来ないと、双方が同時に喋り出すということが頻発し、効率が悪い。どうもこのサイトはSkypeなどに比べて接続状態が悪い。それともWiFiが不安定な講師が多いのか、受講している側としては不明である。

 次に講師の質だが、当たり外れが激しい。背後でテレビの音や犬の鳴き声などうるさくて、ろくに声が聞こえなかった講師もいた。かなりの数の講師が気軽な副業的気分で登録していると推測され、プロフェッショナルな講師を探すのは難しいと思われる。

 また、語学学習は、特に初級のうちは、ある程度同じ先生に見てもらうのが上達の近道だが、それがなかなか難しい。気に入った講師が見つかったとしても、ある日突然サイトからいなくなることもあり得る。一人の講師から、継続してどのくらい受講出来るかは不明である。

 講師のレベルもどのくらい精査されているかはわからない。第二言語として英語を習得している講師も多数登録しており、怪しげな英語に出くわすかもしれない。もちろん日本人から教わることも可能であり、人によっては、それが安心で有難いと感じるかもしれない。なので一概にデメリットとは言えないかと思う。

 DMM英会話は確かに、その気になれば毎日受講できるし、希望時間に講師が見つからずレッスン代が無駄になる確率も少ない。しかし、これを続けたところでどれだけ語学力が身につくかというと少々疑問。受講の目的がしっかりしており、自分が講師を先導してレッスンするくらいのつもりでやれば、それなりに効果はある。しかし受動的にただ受けても、おそらくYoutubeを視聴するくらいの効果しかないのではないかと推測される。

 また、オンライン受講の決定的な欠点として、音声の遅れがある。相手側が話し終えるまでのんびり待てる人なら、それほどストレスは感じないと思うが、早口で間髪入れず喋るのが好きな場合、この遅れはもどかしくてやっていられない。直接対話するのに比べて、4分の1程度の分量しか話せない印象だ。せっかちな人間にオンラインは向かないのである。

 コロナ禍の暇つぶしにはなる。語学習得にこだわらず、どう利用しようと自由だ。日頃の鬱憤、職場の不満、政府への批判等々、外国語でぶちまけてみるのも、それなりにすっきりして良いかも。

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