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ポピュラーピアノ=ポピュラーピアノ奏法ではない 教室選びの注意点

 最近は、クラシックをメインに教えている先生が、「ポップスも教えますよ!」というような宣伝をしていることが多い。ここで、気をつけなくてはいけないのは、「ポピュラーピアノ曲も弾けますよ」という意味で、「ポピュラー奏法を教えますよ」ではない場合が多々あることだ。注意しないと、望むことが全く教えて貰えないという結果になりかねない。

 クラシックとポップスはもちろんジャンルとして違うが、理論、奏法の違いがある。大雑把にいうと、楽譜を忠実に再現するのがクラシック音楽、メロディやコードに沿って即興的に演奏するのがポップス。クラシック奏者は楽譜を読むことに長け、ポップス奏者は即興演奏に長ける。学ぶ理論も頭の使い方も練習法も違う。特にピアノは和音を扱うため、違いが際立つ。

 クラシックを専門とするけれど、ポピュラーもレッスンに取り入れるという先生は、ポピュラー奏法の知識が乏しい場合がある。だから、ピアノ用に編曲された楽譜などをそのまま使って、クラシック奏法と同じく、楽譜を読むことによってのみ、ポピュラーを弾くことになる。そうすると、コードも読めるようにはならないし、即興で弾けるようにもならない。コード譜を見てカッコよく即興演奏したいな、というような目標でピアノ教室を探す場合、必ず、ポピュラー奏法を教えてくれる先生を探す必要がある。

 これは簡単に見分けられる。まず、インターネットで何でもいいので、メロディ+コード付きの曲をひとつダウンロードする。この時、コード譜が複雑なもの(いろんなアルファベットや数字などがごちゃごちゃ書いてあるもの) だと尚良い。これを体験レッスンの時などに持って行き、先生に弾いてもらう。いい感じに演奏してくれたり、同じ曲をいろんなバージョンで弾いて楽しませてくれたりしたら、その先生はある程度ポピュラー奏法を教えてくれるはず。もし、ちゃんとした楽譜がないと弾けない、と言われてしまったら、その先生はクラシック奏法専門ということになる。

 楽譜もコードも不要、とりあえず一曲だけ弾けるようになりたい、という場合はもちろん、こだわらず教室を選んで問題なし。

 

 

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