タツキ

カルチャー日記。映画や音楽など。

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最近の記事

オールタイムベストフィルム35

現在20歳の自分のオールタイムベスト35本のリスト。年代順。 1.夜の人々(ニコラス・レイ) 2.復讐は俺に任せろ(フリッツ・ラング) 3.めぐり逢い(レオ・マッケリー) 4.めまい(アルフレッド・ヒッチコック) 5.リオ・ブラボー(ハワード・ホークス) 6.最高殊勲婦人(増村保造) 7.殺人者たち(ドン・シーゲル) 8.乱れる(成瀬巳喜男) 9.暗殺の森(ベルナルド・ベルトルッチ) 10.赤い影(ニコラス・ローグ) 11.悪魔のいけにえ(トビー・フーパ

    • 『アンカット・ダイヤモンド』

      『神様なんかくそくらえ』にて注目され、ロバート・パティンソンを主演にしたアンダーグラウンドのクライムムービーの傑作『グッドタイム』を前作とするベニー&ジョシュ・サフディー兄弟監督の新作『アンカット・ダイヤモンド』(原題はuncut gems。本編を見るとこの邦題の的外れっぷりを確認できるだろう)はこれまた彼ら自身の最高傑作、どころか個人的には早くも2020年代を代表する犯罪映画史に刻まれるべきフィルム、と大げさに言いたくなるような快作、傑作であった。 本作で話の中心、物語の

      • 『フォードvsフェラーリ』

        2020年も始まったばかりだが、早速今年ベスト級の「アメリカ映画」の傑作を見たので、簡単に感想を。 フランスの24時間レース「ル・マン」でフェラーリ社に勝利しようとするフォード社にレーシングカー開発の任を託された元レーサーのエンジニア、キャロル・シェルビーと、ドライバーのケン・マイルズの友情とフォード社重役との対立、彼らシェルビーアメリカンのプロフェッショナルとしての仕事が描かれる。ネットで指摘している人もいたが、内容的には『フォードvsフェラーリ』というより『フォード』、

        • 2010年代ベストフィルム100

          テン年代が終わり2020年代が始まった。見ていない作品も数多いのでもう少し粘りたかったが、見ていないものは見ていないということで、寧ろ堂々とベスト100を出させてもらう。順位については一応考えたが意味のないもの。100本のリストとして見てほしい。ちなみに自分は現在20歳、つまり人生の半分をテン年代に過ごしたといえる。したがって今までリアルタイムで見てきた映画のほとんどがテン年代のもの、自分の今のところの映画人生のすべてとも言っていい。見ていないものもあるというのは前提としてい

        オールタイムベストフィルム35

          フィルムノワール特集~シネマヴェーラ渋谷にて~

          元々シネマヴェーラの特集にここまで通うことはなかったのだが(山梨住みの自分にとってはかなりハードルの高い)、去年の十二月初めに、キム・ギヨン監督の特集を、別件の用事のついでに見ておこうとヴェーラにて3本ほど鑑賞した。その際に次回の特集がフィルムノワール特集であると知った自分は、年末年始興味の沸く新作もあまりないので、これは多少の無理をしてでも一本でも多くの作品を鑑賞してやろうと思った。そもそも自分はニコラス・レイ監督の『夜の人々』という映画が生涯ベストの一本であるのだが、本作

          フィルムノワール特集~シネマヴェーラ渋谷にて~

          2019 best album

          映画に続いて音楽のベストも出しておく。今年はベスト20まで選出してみた。以下そのリスト。 20.KANYE WEST『JESUS IS KING』 19.Vampire Weekend『Father of Bride』 18.BROCKHAMPTON『GINGER』 17.H.E.R『I Used To Know Her』 16.KAYTRANADA『BUBBA』 15.French Montana『MONTANA』 14.kohh『UNTITLED』 13.

          2019 best album

          2019 best film

          映画単体の記事をいくつか書こうと思っていたが、そうこうするうちに年末が近づいてきたので、年間のベストテンとしてまとめておく。 ちなみに記録のために記しておくと、今年の劇場鑑賞数は158本。そこから旧作上映などを差し引き、新作映画のみでカウントすると120本ほどになるのではないかと思う。多分人生で一番映画を見ているのだが、例えば12月は新作で鑑賞したのは2本のみ、ほかは名画座での劇場鑑賞であった。個人的には、今年はあまり豊作とは言えず(映画に限ったことではないが)、年末に向か

          2019 best film

          『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

          街を描くこと『ワンスアポンアタイムインハリウッド』はなによりも街の映画である。この作り込まれた「1969年のハリウッド」にいかに実在感を与えるかに、この映画はかけているとすら言ってもいい。序盤、リックを家に送り届けたクリフは、アメ車に乗り、KHJのラジオを爆音でかけ、スピードを全開に街を駆け抜けていく。劇中で初めて街が立ち現れてくるシークエンスなわけだが、このシーンの、まさに「映画」としか言いようのないなんと豊かなことか。オープンセットだからこそ体現できる建物の実在感と、そ

          『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

          『アマルシ・ウン・ポ』、『ブオナ・ノッテ』

          今年が終わり、自分が2010年代のベストをあげるとしたら、フランク・オーシャンの『blonde』かフィンチャー『ソーシャルネットワーク』、それか三宅唱『きみの鳥はうたえる』、もしくはこのNetflix発のドラマ『マスター・オブ・ゼロ』s2になるだろう。配信から2年余り経っているが、今でも定期的にどこかのエピソードをかいつまんで見てしまう。例えば、毎年恒例の感謝祭の食事を軸に主人公デフのレズビアンの親友デニースと家族の歴史を描いた『サンクス・ギビング』やニューヨークに住む人々の

          『アマルシ・ウン・ポ』、『ブオナ・ノッテ』