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公共性を無視してまで、モータリゼーションを起こした革命家

競合他社の概念

あなたがチーズを作っている酪農家だとしたら、競合はどこになるだろうか。一般的に考えたら、他にチーズを作っている酪農家だろう。
自動車業界はどうだろう。自動車メーカーでは他銘に流れるのを防ぐために、ブームが起きてそれに乗る形が一般的である。例えばSUVブーム、ハイブリットブーム、ミニバンブーム、BEVブームなどなど。競合他社に世界で勝つには法律をも変えていかなければいけない。
しかし、過去にはとんでもない方法で自動車業界に革命を起こした男がいた。その男の名は、「ヘンリー・フォード」だ。

自動車を大衆のものに

彼が掲げたビジョンは大きかった。当時、富裕層の乗り物であった自動車を大衆に使ってもらえるように「T型フォード」を開発し発売した。850ドルと当時では破格の値段で、累計1500万台ほど売れた。彼の功績は華々しいものだったが、その野望はある業界を衰退させるものほどであった。

アメリカ映画での移動手段

アメリカ映画を観た時に、移動手段で車が使われることが非常に多い。実際、アメリカに行くとわかるが大抵の移動手段は「車」もしくは「飛行機」である。高速鉄道や地下鉄などがあまり整備されていない実情がある。実はこの状況にフォードも関与しているのだ。

移動手段でカニバライゼーションは起きた

鉄道と車。両者ともに移動する乗り物である。モータリゼーションを起こしたいヘンリー・フォードにとっては非常に邪魔な存在であった。彼は鉄道会社を買収し、完成間近の鉄道を解体した。それほどまでに彼のモータリゼーションへの期待値は高かったのだ。その結果、今のアメリカでは主力の移動手段は自動車となった。もちろん他にも地理的要因などあるが、歴史的に観ても鉄道よりも自動車を移動の中心として考えていることがわかる。これはヘンリー・フォードの思想が多少なりとも影響していると考えられる。

革命家か破壊者か

彼は「鉄道での移動が自由自在に可能なアメリカ」という可能性を破壊した。しかしいわゆる「アメ車」が独自の文化で発展してきたことやアメリカの経済に自動車が大きく関わっていることを見ると「自動車社会のアメリカ」を作った革命家とも言える。見方を変えれば革命家にも破壊者にもなれるのだ。

次に出てくる革命家は誰か

イーロン・マスクは「Tesla」や「Space X」などを手掛けている。電気自動車の生産で大量にエネルギーを消費し、ロケットの開発においてはオゾン層を破壊している破壊者として見ることもできる。しかし彼には「人類を火星に移住させる」という大きなビジョンを掲げている。もしかしたら将来、人々はイーロン・マスクを人類史に大きな影響を与えた革命家と称賛するかもしれない。現在、さまざまな企業活動が行われているが、法律による規制、SDGsに反する行為、ポリティカリー・コレクトネスに反するなどにより昔より動きづらくなっている。イノベーションは制約の中からは生まれない。今、陰口を言われながら冷たい視線を浴びながら活動している企業や個人がいるかもしれない。そのあなたの功績が今の世界で認められなくとも、いつかどこかで賞賛されるものとなるかもしれない。

次の革命家は、あなたかもしれない。

私が推したい会社は、「世界を本気で変えようとしている会社」だ。

#推したい会社

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