新しいアルバムのお披露目会
5/23水曜日。代官山の晴れたら空に豆まいてにてトリプルファイヤー新譜完成試聴会を開催した。お集まりいただいた方にはお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
アルバムが完成したら試聴会を開こうという話は早い段階で出ていたと記憶している。2022年の年末、新宿のシネマートに『ケイコ 目を澄ませて』を観に行ったら、たまたま監督の舞台挨拶とティーチインのある回だった。退出するのも忍びないので、残って観覧したところ、これが思いのほか良い経験になったので、試聴会を開催するのなら絶対に舞台挨拶とティーチインが欠かせないと思って皆に提案したのを覚えている。つまり2022年の時点で試聴会の話は出ていたということだ。
イベントは二部に分け、前半でアルバムを頭からお尻まで聴き通し、後半でメンバーのトークと質疑応答を行った。司会は晴れ豆のブッキングを担当している後等くんにお願いした。後半のトーク内容はおもに前作『FIRE』をリリースした2017年から現在に至るまでの7年間に何をしていたかというものだった。質疑応答の後で、遊びに来ていた澤部くんとシマダボーイが登壇し、熱い感想を伝えてくれた。
完成から5ヶ月近く経っているし、曲順を決めたのも遥か昔のことだったから、前半部分で新作を通して聴いているときに「こういう曲順にしたんだ。へえ」という不思議な気持ちが湧いてきた。なるべくとっつきにくい渋い曲順にせずにはいられない自分の性癖を抑え込み、楽しい雰囲気のアルバムになるように意識して考えた。一曲目が楽しい感じの曲調であれば、中盤がいくら暗かろうとアルバムの印象は自ずと明るくなるものだ。
私が曲作りでもっとも重要視しているのは、出来上がりつつあるものにセンス・オブ・ワンダー的なものが感じられるか否かである。それをひらめきと言い換えても良いかもしれない。いわゆるところのサムシングだ。こうした感覚を言葉で説明するのは難しい。実作に取り組んで、それらしきものを自分で再現してみるほかない。
たとえば、細野晴臣「Exotica Lullaby」やノトーリアス・B.I.G.「Unbelievable」、ニルヴァーナ「Drain You」、キリンジ「僕の心のありったけ」、デヴィッド・アクセルロッド「The Human Abstract」、シュギー・オーティス「Inspiration Information」、プリンス「The Ballad of Dorothy Parker」、N.E.R.D「Tape You」、ファンカデリック「You Hit The Nail On The Head」、フェラ・クティ「Perambulator」、エムトゥーメイ「Juicy Fruit」といった曲を聴いたときにビビビッとくる感覚こそが、センス・オブ・ワンダー的なサムシングにほかならない。つまり「自分が好きな感じ」である。それを自ら再現してみたいわけだ。
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