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「今だからできること」は、どんな状況にもあるのだ【10/31巨人戦●】

この状況下でこどもたちの運動会はなくなり、かわりにダンスと徒競走だけの「簡易版運動会」のようなものが催された。

むすめにとっては初めての小学校での「運動会」。一年生がポンポンを持ってダンスする姿は、そりゃもうさいっっっっっっこうにかわいくて、でも保育園の時からはうんと成長した姿も見られて、私はカメラを抱えながらまた泣いてしまった。で、泣いていたらなんとソフトコンタクトが落ちた。そんなことある?とにかく、コンタクトをつけるのに必死になっていたら、徒競走が始まっていた。

むすめはてけてけてけ、と、必死に走っていた。てけてけてけ、という効果音がよく聞こえた。順位すらわからなかった。ただ「かわいい」という感想だけが残った。コンタクト事件でほとんど写真も撮れなかったけど。

一方4年生の息子は、タイム順で一緒に走るメンバーが決まっていた。息子はなんとオオトリ、一番速いメンバーと走ることになっていた。

4年生ともなると速い子は本当に速いので、なかなか見ごたえのあるレースになる。盛り上がる中、息子の順位は!

4人中、4位であった。

「まあもうこのメンバーに入っちゃった時からわかってたけど!けど3位まではおしかったなー!」と、息子はケラケラ笑っていた。惜しかった惜しかった、でもよくがんばった!と、私たちも笑った。

しかしまあ、スタート前からもうみんな、緊張してそこに構えているのが伝わってきた。そして4人が4人とも、とにかく必死に前を見て後ろを振りかえず走りきった。前を走る人は、後ろが気になるだろうし、後ろを走る人はもちろん前行く人が気になるだろう。でもみんな、とにかく走りきったのだ。

立派だなあ、と、思う。隣にいた、1番だった友達のママに聞くところによると、みんなこの日に向けて4年生なりに、練習してきたらしい。(息子はあまりそういうの話さないけれど、どうやらそうらしい。)そして本番は練習の時とはまた順位が違ったそうで、4年生には4年生の、ドラマがそこにあったのだ。肩を組んで楽しそうに帰ってくる4人を見ていたら、なんだかじーんとして、また泣きそうになってしまった。

さてヤクルトは、今日もまた負けた。10月、本当によく負けている。ソフトバンクが10月22勝という数字を見かけて、ヤクルトはいったい何回負けたっけ…と言いながら、いや、数えるのはやめておこう。と、思いとどまるくらいには負けている。

でも、4年生だって、みんな必死に走るのだ。徒競走で、その一瞬の勝負の時間に自分の順位を悟っても、それが練習の時とは違っても、それでも最後まで走りぬく。ヤクルトたちだって、その姿を見せてくれても良いのだよ、と思う。

いつも100%の力で「がんばり切る」ことはできないけれど、でも、ルーキーの躍動や、塩見の盗塁や(ここ数日でめっちゃ見た気がする)、なんだかんだで抑えるほしくんや、そういうのを見ていたい、と思う。「今だからできること」というのは、どんな状況でも必ずあるのだ。

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一年生の後に見た四年生のダンスは、もうそれはそれで一年生に負けずおとらずかわいくて、なんだ四年生ってまだまだかわいいのだな、と思った。本気の徒競走をしながらも、まだまだかわいい。とてもとてもかわいい。

なんだか結局いつまでも「かわいい」と思うのかもしれないな、と思う。それはヤクルトたちを結局いつまでも「かわいい」と思うのと同じかもしれない。「かわいい」はたぶん、究極の愛の表現な気がしている。

負けても負けても、練習する姿は、そこで笑いあう姿は、かわいいなと思ってしまう。弱くたって応援するから、だからまあ、がんばっていて、と思う。「今だからできること」を考え実践し続けると、それは結構大きな力になったりするよ、と、若手たちを見ながらそう思っています。



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