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【6/20中日戦◯】息子はあの奥川くんの15回のマウンドを覚えている、と言う

久々の久々の久々に、息子と二人で観戦に来た。いや、久々もなにも、もしかすると二人というのは初めてかもしれない。

二人でバックネット裏2階にゆったり座り、日曜の午後にまったり野球を見る時間ときたらこれは、なかなか至福の時間である。なんかだんだ、ノンアルコールビールもおいしく感じられるようになってきたし。

6回裏、奥川くんは1アウト1,3塁のこの試合最大のチャンスで村上くんがファーストゴロを打ち、ホームに走った塩見がアウトになるのをベンチ前からそっと見届け、そしてまた、前を向いてキャッチボールに戻った。

流れが変わってしまうかもしれないなあ、と、私は思った。ここまで0-0で動きがなかった試合だ。生かせなかった最大のチャンスのあとでは、ピンチがどうしてもやってくるものだ。

だけど次の7回表のマウンドに立った奥川くんは、先頭打者の井領をしっかりライトフライに打ち取った。それは「あっさり」とも見えるほど、あっという間のアウトだった。

これは大きい、と、私は思う。どうしてもここで先頭打者を出して、そのままずるずる失点してしまう、というパターンに陥りがちなのだ。だけどそこでしっかりアウトを取った奥川くんが、また一つたくましくなったように見えた。

それは、言ってみればカツオさんみたいな仕事だった。流れが変わりそうなところで、相手にそれを引き渡さない、貴重なアウトだ。

その後を奥川くんは、しっかり三者凡退に押さえた。これはえらい。と、しみじみつぶやくと、息子が言った。

「なんか僕さ、まだ信じられないんだよね、こんな目の前で、奥川くんがヤクルトでプレーしてるの。」

息子によると、奥川くんが甲子園で15回を完投した試合を、数年前車の中で聴いていたのを覚えているのだそうだ。

「『奥川が15回のマウンドに向かいます!』ってアナウンサーの人が言ってたの、車で聴いてドキドキしたんだよね。それまだ覚えてるの。その奥川くんが、神宮で投げてるのを見るってなんか、すごい。」

と、言う。

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